ほぼ足りてまだ欲 その先

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洗脳

 ま、戦前、戦中の臣民、皇民教育というのはすさまじいものだというのは当時を振り返った書物を読むと、よくわかる。とにかく小学生(当時は国民学校生とでもいうのでしょうか)くらいから上の男の子たちは全員が天皇陛下のため、国家のために早晩死ぬと決めていたわけで、「イヤだ!」といって表明するなんてことはよほどのことがなければ第三者を前にしていうことはできなかった。
 なにしろ徴兵検査でも、すぐにでも入営要請に応えなければならない甲種合格ならまだしも、多少の障害があったり、肉体的に制限をクリアできなかったという乙種以下と判断された人たちはかなり辛い状況に置かれていたことがよく書かれている。
 これこそ洗脳以外の何ものでもなくて、そこが自分の境遇からの脱却は聖戦に参加するしかないと洗脳されてしまうイスラムの一部の人たちの状況と重なってくる。
 イスラム過激派の思想には地球上のイスラム教徒を救うためには相手、つまり異教徒たちを殲滅するしかないのだ、これは聖戦なのだという思想が含まれている。
 かつてのカダフィ時代のリビアにはジハード・タックスと呼ばれる聖戦税なるものまで存在した。その税収がどこへ消えていたのか知らないが、これはリビア国内で仕事をする外国企業にまで課せられていた。つまり信仰に関係なくイスラム教の聖戦のために費やす税を納めていたのだ。
 今回パリをおそったジハードテロではKamikazeという言葉を使ったとして、日本の特攻賛美派はその辺のテロ集団と一緒にするなといっているようだけれど、洗脳された上ではどんなことでもできるのだという点においては共通要素を抱えている。
 中国共産党文化大革命ではものの見事に洗脳された若者が中国に育った多くの文化を破壊した。アル・カイーダはアフガニスタンの歴史的な遺物をぶちこわした。ポルポト派は知識を破壊し尽くした。
 今もまた日本では、周辺の脅威論、日本とっても優秀説に洗脳されようとしている。