過去50年間に全国の電力会社12社に、常勤の役員や顧問として再就職した経産省（前身の通商産業省、商工省を含む）の元職員が計68人になると発表した。現役の役員・顧問には、11社で計13人が就いている。（2011年5月2日22時30分）
北海道5人、東北7人、東京5人、北陸6人、中部5人、関西8人、中国3人、四国4人、九州7人、沖縄4人、日本原子力発電8人、電源開発6人
氏名も発表されているので整理して掲載していこう。取り敢えず北海道電力から北陸電力。
北海道電力 5名
- 山田範保(やまだ のりやす) 昭和23年6月12日生・静岡県出身・昭和48年3月京大学院工学研究科修了昭和48年4月通商産業省入省→平成12年 6月通商政策局経済協力部長→平成13年1月 環境省大臣官房審議官→平成15年7月 経済産業省大臣官房付（環境省大臣官房審議官）・退官→平成15年7月(財)製品輸入促進協会理事長→平成17年7月 北海道電力理事・企画部部長→18年3月理事・事業推進部部長（海外事業担当）→19年4月理事・旭川支店長→20年6月常務取締役・札幌支店長（2011年6月の株主総会で退任予定。
- 松藤哲夫(まつふじ てつお)平成5年6月退官工業技術院総務部長→(この間不明)→平成9年6月 北海道電力取締役企画部部長→11年6月取締役旭川支店長→13年6月常務取締役→15年6月取締役副社長→17年退任→北海道電力グループ・苫東コールセンター(株)取締役社長→22年（？）退職
- 村田文男(むらた ふみお) 昭和32年東大法卒・昭和59年5月退官最終官職：資源エネルギー庁石炭部長→大阪商品取引所理事長→昭和61年10月 北海道電力嘱託企画室調査役→62年6月→取締役燃料部長→平成3年6月→常務取締役→7年6月取締役副社長→9年6月 退任
- 千頭清之(ちかみ きよゆき) 昭和48年7月特許庁総務部長退官→昭和49年3月北海道電力嘱託→49年5月取締役社長室調査役→49年8月取締役資材燃料部長→52年6月常務取締役→58年6月取締役副社長→60年6月退任
- 岡松成太郎(おかまつ せいたろう) 1901年生1925東大法卒・昭和23年11月退官・商工次官→日本商工会議所専務理事→昭和35年5月北海道電力取締役社長→41年5月取締役会長→49年5月取締役相談役→58年6月退任(息子は岡松壮三郎元通商産業審議官・経済産業研究所の初代理事長)
東北電力 7名
- 西村 雅夫(にしむら まさお)昭和52年東大経卒・平成18年7月 退官最終官職：大臣官房付（中小企業庁次長）→平成19年5月日本化学繊維協会副会長兼理事長→平成21年8月日本化学繊維協会退職→平成21年8月 東北電力顧問
- 佐々木恭之助(ささき きょうのすけ) 平成６年６月 退官最終官職：大臣官房付（東北通商産業局長）→平成10年7月 東北電力顧問→11年6月取締役→13年6月常務取締役→19年6月取締役→21年6月退任→財団法人機械システム振興協会専務理事
- 黒田 四郎(くろだ しろう) 1921年生昭和23年東大法卒・昭和49年6月退官最終官職：名古屋通商産業局長→49年地域振興整備公団理事→昭和56年6月東北電力常務取締役→58年6月取締役副社長→62年6月退任→61年（株）電力ライフ・クリエイト取締役社長兼任→62年同社取締役会長→平成3年（財）東北産業活性化センター副会長。7年（株）電力ライフ・クリエイト取締役相談役→8年（社）東北経済連合会顧問。11年（株）電力ライフ・クリエイト（現株式会社エルク）顧問→平成21年5月逝去
- 中川 理一郎(なかがわ りいちろう) 昭和44年11月 退官最終官職：鉱山石炭局長→昭和45年4月東北電力嘱託→45年5月取締役→48年11月常務取締役→54年6月取締役副社長→56年6月 退任 (財)日本立地センター理事長経験者。
東京電力 5名
- 白川 進(しらかわすすむ) 平成9年7月 退官最終官職：基礎産業局長→日本輸出入銀行理事→平成11年10月東京電力顧問→12年6月取締役→14年10月常務取締役→17年6月取締役副社長→22年6月顧問
- 川 弘(かわさきひろし) 京大経卒・昭和63年6月 退官最終官職：経済企画審議官→日本輸出入銀行理事→平成2年12月東京電力顧問→3年6月常務取締役→7年6月取締役副社長→11年6月最高顧問→17年7月顧問→19年6月退任
- 石原武夫(いしはらたけお) 昭和32年6月 退官最終官職：通商産業事務次官→古河電工→昭和37年5月東京電力取締役→41年5月常務取締役→46年5月取締役副社長→50年5月監査役会会長→56年6月相談役→平成8年9月退任
北陸電力6名
- 上村雅一(かみむら まさいち) 平成2年10月退官最終官職：大臣官房付(中国通商産業局長) →平成7年3月北陸電力常勤顧問→6月取締役→11年6月常務取締役→15年6月退任
戦後すぐの方々はともかく、皆さん、ものの見事に退官後、いずれかに腰掛けて年数を稼ぎ、そこからおもむろに顧問として採用され、瞬く間に取締役になって経営幹部に登る。その途中でも、何らかのお稼ぎがあり、電力会社をお辞めになっても、様々な口が待っているようだ。「そのために、お前らが遊んでいたときに、一生懸命受験勉強に励んだんだ！悔しかったらお前らも励めば良かったじゃないか！」という言葉をお発しになった元霞ヶ関の住人にも出逢ったことがあって、その時はひと言も反論できなかった自分はキリギリスさんだったのだ。
