ほぼ足りてまだ欲 その先

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事業仕分け 面白くなってきた

 行政刷新会議事業仕分けは外野の有象無象のノイズもいろいろ聞こえてくるけれど、大変におもしろい状況になってきている。
 今日のスマッシュ・ヒットはやっぱり財団法人こども未来財団の税金かすめ取りの暴露だろう。
 ネットを検索していったらこの財団の現在の理事長は酒井英幸元厚生労働省職業能力開発局長だけれども、この人は年金総合研究センター専務理事や、東京医薬品工業協会理事長から日本製薬団体連合会の理事長をしていた人ではないだろうか。確信はないけれど、同姓同名だ。そのまた前任者は元社会保険庁長官じゃないだろうか。
 常務理事の磯部文雄なる人物は昭和49年旧厚生省入省、国際課長、内閣府審議官、社会保険庁運営部長、老健局長を経て平成18年、退職という。
 理事の小林和弘という人は元関東信越厚生局長。
 同じく理事の中村利雄という人は1946年7月22日生まれで、中小企業庁長官を最後に2001年7月人事で経済産業省を退官後は一年間損保ジャパンの顧問、元2005年日本国際博覧会協会事務総長(愛知万博)、財団法人・地球産業文化研究所の理事、日本商工会議所専務理事を経ていて、なかなかお盛んである。
 同じく理事の東泰秀という人は最後は雇用均等・児童家庭局育成環境課長だったそうだ。

 この財団のウェブサイトにアップされている給与規定を見ると理事長の俸給は月額871,000円。その上様々な手当だとか特別なんたらがある。単純にこの額だけとしても年収は10,452,000円になる。
 去年4月28日の参議院決算委員会で民主党行田邦子がこんな発言をしている。

 財団法人二十一世紀職業財団は平成18年度には役職員が169人いましたが、そのうち55人は厚労省職員を含む国家公務員のOBです。国から補助金が62億円出ています。
 財団法人こども未来財団の役職員数、こちらは36人ですけれども、そのうち16人が役員に相当する方です。随分と役員の比率が高くなっている法人です。6人の常勤役員のうち半分の3人は国家公務員のOBです。国からの補助金は、ここには11億2千万円出ています。
 そして、独立行政法人雇用・能力開発機構、こちらは横綱格なんですけれども、理事が8人いまして、そのうち3人が厚労省のOBです。理事の平均報酬は一年間で1600万円を超えています。理事長は2000万円です。この独立法人には、運営交付金補助金合わせて1175億円が国から支出されています。こちらは平成19年度の実績です。

 これに対する舛添厚労大臣の答弁。

公務員の再就職につきましても、国民から疑義を抱かれるようなことはやっちゃならない、そういうことを原則としてきちんと指導してまいっているところでございます。

 なぁに雇用・能力開発機構に比べたら可愛いもんだといういい方もできるかもしれないけれど、こんなのを見ていると厚生労働省出張所みたいなもんで、堂々とやってこられたのは自公連立政権が保護していたからだということになる。

自民党の反応

事業仕分け:「怨嗟の声」を懸念 谷垣総裁
 自民党谷垣禎一総裁は12日の記者会見で、政府の行政刷新会議による「事業仕分け」について、「あれだけ多くの問題を短時間、少人数でさばこうとすると相当粗っぽい作業になる。無駄かどうかの判断は価値観の問題もあるから、怨嗟(えんさ)の声も出てくるかもしれない」と懸念を表明した。伊吹文明財務相も12日、伊吹派の会合で「(仕分け人は)あまりにも居丈高だ。一刀両断の形は、昔の(財務省)主計局の評判の悪い主計官でもとらなかった」と批判した。【田所柳子】(毎日新聞 2009年11月12日 20時23分)

 麻生太郎前首相は昼の麻生派総会で、「国会議員ならともかく、そうでない方々は一体何の資格で言っているのか」
 高村正彦元外相は「仕分け劇場を見せることだけにうつつを抜かしている。そのこと(公開)自体を否定はしないが、良い政治とは言えない」と批判した。(時事ドットコム 2009/11/12-17:31)

 「麻生君、行政刷新会議のメンバーとして言っているんですよ。各省庁の諮問会議に出ていた御用学者の皆さんも会議のメンバーとして発言していたんじゃなかったですかねぇ」といってあげたい。
 「高村さん、官僚があっち行ったりこっちに行ったりして、高い給料をいつまでも保証するために補助金をばらまくというのが“良い政治”だったんですか?」とお伺いしたい。
 「あぁ、俺たちにはあんなことはしたくてもできなかったなぁ・・」という恨み節だろうか。
 ちなみに自民党は8月の衆院選の時に方針とした世襲立候補者の制限を撤回したんだそうだ。「世襲じゃないと当選できないところだってある」という声があるのだそうだ。
 今更ながら「なんで俺たちを入れないんだ!」と発言した亀井国民新党は明らかに乗り遅れ。こんなに国民の反応がどっと出るとは思っていなかったからあとあとのことを考えて手を出さないでいたけれど、「なんだ!やれるんだ!」ってんで慌てて手を挙げたと痛くない腹も探られようかというものだ。