ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

書いておかないと忘れるぞ

 シシー・博物館→スペイン乗馬学校→ナッシュ・マルクト→ゼセッション館→カールス教会→ホテル・インペリアル
 天気予報は晴れで29℃にまでなるといっていたのに、朝出ると風がやけに涼しい。これじゃまずいなと思ってウィンドウ・ブレイカーを取りに戻る。空は晴れ間を見せることはないのだけれど、湿度はやたらと高くて、ちょっと歩いたり、換気の効いていないところに入ると汗が出る。
 シシー博物館では一部の照明が落とされていて、飾られている食器のたぐいがよく見えないところがあって、そこに古伊万里なんかが飾ってある。係のお嬢さんに「ここの照明が落とされているのはどんな理由があるの?と尋ねるとはにかみながら「Just Black out」とお答えになった。何事か知らないけれど、問題が発生したものと思われるが、誰も騒がない。ゆるいなぁ。こういうところは実にゆるいのだ。
 10時半を過ぎて、ちょっと早すぎるのかも知れないがと思いながらもスペイン乗馬学校の入り口にやってくると、何人もの人が入っていくので、遅れまいと行くと、私の切符を見るなり係の全くフレンドリーさのないおじさんが、この切符は裏側だという。そっちに向かっていくと入り口があったので(裏ではないけれど)切符を見せると、それはもっと裏だ、という。だんだん不安になる。もう一回角を曲がっていくと、お〜、ここにも入り口がある。入ると、それは二階のテラスへ上がる螺旋階段で、テラスにぐるりと一周に椅子ができている。だから、私の切符には1列と書いてあったのだ。ここには一列しか椅子は並んでいない。ぐるっと見渡すと、今回のこの二階席にはずっと向こうにアジア人男性だけのグループが4人いるのと、私のそばに女性が一人。そして私たちを入れると7人である。
 ナッシュ・マルクトの先にはフリー・マーケットが土曜日になると開かれるという話だったので出かけてきたら、相当ながらくた市である。アンティークといってはならないという雰囲気である。
 金色のキャベツと呼ばれているゼセッションに入る。地下にクリムトの有名な絵があるんだよという話を聞いていたので、すぐさま地下へ。なぁるほど。ここにはよほど日本人がくるものと見えて、かなり詳細な、そして日本語としてきちんとしたパンフレットが用意されている。私はこの種のものをキッチンとこれまで読んでいないから知らなかったけれど、これは元々ここに描かれたものではないのだそうだ。一発限りのつもりだったものが未来永劫残されることになった気分というのは作者としてはどのような気分になるのだろうか。一度聞いたみたいものである。
 カールス教会にもやっぱり入らないといけないと、先を急ぐ。しかし、正直な話、もうくたくたなんである。なにしろ日頃全く歩いたりしない人間が毎日毎日朝から、まるで何かに追いかけられているように歩くのだから、そんなに体力が持つわけがない。
 シニア料金5ユーロを払って中に入ってみると、驚くなかれ、中にはスケルトンのエレベーターが設置されており、それをおりてから階段を上り詰めると、なんとドームの天井にまで手が届く。フレスコ画の修復作業が延々と続いているのだそうだ。ところがクッタクタになってそこまであがったのはよいけれど、一瞬下を見てしまった。なんということか、真下の床が見えてしまった。さぁ、それからが大変だ。怖い!足がすくむ!囲われているのがわかっていながら怖い。こうして至近距離から天井画を見ると、意外と簡単に描いてある。
 そそくさと降りてきて、長いすの一つにやれやれと座って、汗を拭き、祭壇を眺めるうちに、ふっと気がつくと私は瞬間的に寝ていた。ホッとしたといって良いだろう。
 外に出て池に映る教会を写真にする。今夜この教会でモーツアルトのレクイエムのコンサートがあるのだそうだけれど、この足場に囲まれた中でやるの?と驚いた。この街ではあちこちで何らかの演奏会が行われている。観光客相手の演奏会ではなくて、こうした地に足のついた演奏会を聴きに行くべきだろう。
 夜雨が降る中、オペラ座の横まで今夜上演中のバレー「ジゼル」のパブリック・ビューを見に行く。中で見れば良かったかもなぁと後悔する。
 昨日市庁舎で準備中だったイベントは多分今日のゲイ・パレードと関係があるに違いない。レインボウ・フラッグが飾ってあった・・のだけれど、市が全面的に後援しているということか。尤もシドニーではあのパレードを全国放送するものなぁ。