ほぼ足りてまだ欲 その先

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河野太郎情報

 昨日のIWJのネット公開会見に河野太郎が出てきて、彼が自身のブログで解説していた文部科学省原子力損害賠償紛争審査会と日本エネルギー法研究所の話をしていた。
原子力損害賠償紛争審査会というのは原子力損害の賠償に関する法律第18条に基づいて文部科学省に臨時的に設置される機関で、今回は福島第一原発事件に関して設置されたもので4月11日に第一回が開かれた。
 次回の11回目の会議は7月19日(火曜日) 15時00分〜18時00分に文部科学省旧文部省庁舎6階 第2講堂で開かれて、7月15日(金曜日)14時までに、氏名、所属機関及び連絡先をFAX(03-6734-4659)またはE-mail(genshi@mext.go.jp)で登録すると抽選で傍聴ができるのだそうだ。
 配付資料や議事録は文科省のサイトで見ることができるけれど、議事録については残念ながらまだ第三回分(こちら)までしか公開されていない。ひょっとすると文科省は通常の審議会等と同じような時間の流れで考えているのに過ぎないのかも知れない。緊迫感に欠けるといってしまう。
委員は下記。
大塚直:早稲田大学大学院 法務研究科 教授
鎌田薫:早稲田大学総長、早稲田大学大学院 法務研究科 教授
草間朋子:大分県立看護科学大学 学長
高橋滋:一橋大学大学院 法学研究科 教授
田中俊一:財団法人 高度情報科学技術研究機構 会長
中島肇:桐蔭横浜大学 法科大学院 教授/弁護士
能見善久:学習院大学 法務研究科 教授
野村豊弘:学習院大学 法学部 法学科 教授
米倉義晴:放射線医学総合研究所 理事長
 4月の審査会開始時には委員に名前を連ねていた「例の」山下俊一(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科研究科長)は6月の委員名簿から外れている。
 で、河野太郎のブログ、ごまめの歯ぎしり「原子力村の飛び地2011年07月04日 16:01」を見ると、日本で初めての民間の法律関係の研究所として1981年に設立されたという「日本エネルギー法研究所」について書かれている。
 同研究所のウェブサイトを見るとこれはまた実にあっさりとした味も素っ気もないもので、とても「民間研究所」とは思えない旧式なサイトで、役員の名前の他には研究部に研究員9名を含む11名がいて、事務部に3名所属しているだけだが名前もなにもない。研究報告書のタイトルは123件掲載されているけれど、「研究報告書の販売・閲覧・複写・貸出等は行っておりません。国会図書館および各大学付属図書館に寄贈しておりますので,そちらで閲覧」して欲しいと素っ気ない。民間研究所としてははなはだ営業マインドがない。
 参考に東大図書館のOPACで報告書のひとつを検索してみると確かに存在する。念のためと思って私の母校の図書館も検索してみると出てきた。
 ところがこの研究所のウェブサイトの中で唯一奇異なのはそのリンク先である。
電気事業連合会、(財)電力中央研究所北海道電力東北電力東京電力中部電力北陸電力関西電力中国電力四国電力九州電力が羅列されている。沖縄電力がない。沖電が他の電力会社と較べて異なるのは原発の存在だ。
 河野太郎がこう書いている。

  • 財団法人電力中央研究所から研究を受託している組織のようだ。
  • 日本エネルギー法研究所の年報を見ると、研究所の研究部の名簿が出ている。研究部長以外の研究員九名は、北海道から九州までの九電力から一人ずつ出ている。
  • 総勢三人いる事務部の事務部長、事務課長はそれぞれ東京電力
  • 原子力損害法制検討班は、大学教授が名を連ねる主査、研究委員の下にオブザーバーがいるが、電事連原子力部副部長が名を連ね、その下の研究員は、九電力からの九人。
  • 環境法制班は、やはり主査、研究委員の下にオブザーバーが二人いて、電事連立地環境部副部長と東電環境部環境企画部グループマネジャー、そして研究員は九電力からの九名。
  • エネルギー事業班(規制・競争検討)は主査、研究委員の下にオブザーバーが四人、電中研社会経済研究所上席研究員、電中研社会経済研究所主任研究員、電事連企画部副部長が二人、九電力から九名の研究員。
  • 原子力行政に係わる法的問題研究班は、主査、研究委員の下にオブザーバーで電事連原子力部副部長、九電力から九名の研究員。

 彼は年報を見て確認しているようだけれど、ブログの最後をこう締めくくっている。

この審査会の法律の専門家が、みんなこの電力会社と関係の深い研究所と関わりがあって、それぞれそこの理事・所長・原子力損害法制検討班主査とか企画委員会委員長・研究部長・環境法制班主査とか、企画委員会委員・原子力行政に係る法的問題研究班主査であるなんてことはないですよね?

 私も真っ黄色なポロシャツを着て顔をほころばせている高木義明文部科学大臣にお尋ねしたい。どうなんだと。