ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが今度監督をするといっている映画は既に脚本が完成しているそうだけれど、それは事実に基づく小説として米国でかなり売れた原作に基づいているのだそうだ。
Unbroken: A World War II Story of Survival, Resilience, and Redemption
- 作者: Laura Hillenbrand
- 出版社/メーカー: Random House
- 発売日: 2010/11/16
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Unbroken: An Extraordinary True Story of Courage and Survival
- 作者: Laura Hillenbrand
- 出版社/メーカー: Fourth Estate
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それをこちらの方のブログによると彼は1944年11月に「ゼロアワー」に登場して死んだと思われていた自分や他の仲間の名前を紛れ込ませたという。
しかし、その後日本軍がプロパガンダ原稿を読ませようとした時に彼はこれに抵抗し、そのため大船収容所から最も扱いが悪いといわれていた直江津収容所に送られたという。 戦後無事に帰国した彼は、1998年に長野オリンピックの際に来日して聖火ランナーとして走ったというこの方のブログの記載には驚かされた。先日の豪州から来られた元捕虜の方々や、米国から来られた元捕虜だった皆さんの体験談は私たちも真摯に捉えるべきだろう。
一番の心配は今回の選挙によって政権政党となった自民党がこれまで真摯に歴史を掘り起こしてきた動きを封殺するということに舵を切りはしないか、という点にある。
国会図書館に収録されているという一連の「GHQ/SCAP法務局調査課報告書」は一度は目にしておく必要がありそうである。
一気に興味をかき立てられて、ペーパーバックをすぐさまAmazonに発注してしまった。
この著作に関して「WEDGE」という知る人は知っている「あの」雑誌が昨年の2月に書評を書いている(こちら)のだけれど、そのタイトルは「反日感情をあおる本が米国で大人気-なぜいま、日本軍の捕虜虐待なのか」というものだ。なぜこのとき出版されていけないのかわからないけれど、書評には「評者・森川は正直、日本が第2次世界大戦で捕虜をどう扱ったかという点について、なにも知識を持っていなかったので、本書に対しては戸惑いが多い。引用した統計数値の妥当性についても判断する能力がない。それ以上に分からないのは、なぜ今この時期に、このような本が出版され、なおかつ大ベストセラーになっているという事実だ。」と書かれている。書評を担当した方がどんな年齢の人かわからないけれど、この種の著書について論評しようとする人が何も知らないで評するのは如何なものかと思わないではない。評者についてはただこう書かれているだけだ。
「森川聡一(もりかわ・そういち):ITバブル期にニューヨークに住んだ経験を持つ経済ジャーナリスト」「あの」雑誌で「ベストセラーで読むアメリカ」という連載をしていたようだ。
この著書についてネット上で検索してみると大いにこの本を偏った内容であるという書き込みに遭遇する。それが適当なのかどうか、読んでみたい。
ただ、保阪正康が常日頃から解説するように、私たちは歴史を史実の積み重ねから読み解く必要があり、恣意的な方向へ史実を積み上げるべきではない。事実は事実であり、それを冷静に明らかに受け止める必要があるということだろう。