ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

NNNドキュメント「3・11大震災 シリーズ」

 「消せない放射能 〜65年後の警鐘〜」を見た。
 ソ連ウラル地方チェリャビンスク州オジョルスク市(Ozyorsk)にある「Маяк Mayak マヤークにあったプルトニウム生産設備では放射性廃棄物をテチャ川(オビ川の支流)や湖(後にイレンコの熱い湖、カラチャイ湖と呼ばれる)に放流していた。放射能汚染物質を沈めていたカラチャイ湖では水位が上がってしまって汚染物質が露出し、一気に拡散した。1957年には放射性廃棄物のタンクが爆発して放射能をまき散らすことになった。
 しかし、ソ連政府はそれを隠し続けた。何よりもこの設備そのものの存在を秘匿していた。1989年になって初めて真相が公開されたのだそうだ。
 この番組では、2006年に取材をしていた。私の聴き誤りでなければ、タンクの爆発で放出された放射能汚染物質の量の9倍もの料が福島第一の事件で放出されたという。テチャ川流域で暮らしていた人々はその後も暮らしていて、水頭症の青年やら、首に後から後から腫瘍ができる男性の話を記録していた。その後ロシア政府はこの地域からの住民の移動を決め、新たな村を造り移住を促進する。他の村に移住した人たちには一律300万円相当を支給した。それでも居残る人たちもいる。死んだ人たちは住むことができない自分の村にようやく葬られる。
 今は何も起きているように見えていないけれど、放射能の影響はあとになって確実に起きる。しかし、時の為政者はロシア当局のように「その因果関係には科学的な根拠がない」と言い続けるに違いない。これまでもそうして事件の解決を先送りにするのが役人として適切な対応であるという不文律でもあるのか、必ずそういう。
 ハッキリいえば彼らは殺人者であり、自らの儲けの為に他の人々の生活を奪った、いわば人非人なのだ。
 今この国で原発必要論、原発推進論を語る人間はすべからくそれによって自分の懐を守るスタンスに立っている。他人を殺してもそれを守ろうという論理にある。これがどうして肯定されなくてはならないのか。
 水俣病でも彼らはその「因果関係論」を振り回し続けてきていることを思い起こすべきだ。