ほぼ足りてまだ欲 その先

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無理

 どっかぁ〜んと爆発してしまった福島第一原子力発電所からは風に乗って放射線汚染物質が大量にばらまかれてしまった。あの当時、やれ重い粒子はそんなに飛ばないはずだとか、チェルノブイリみたいにメルトダウンしているわけじゃないから、とかいろいろな噂が飛び交ったけれど、メルトダウンどころか、メルトスルーしていて、核燃料は溶け出し、コンクリートのハウジングなんて溶け落とし、地球の重力に遵って、どんどん溶け落ちていっている。そこへ水を常時かけているわけだから、常時放射能で汚染された水が出ていっている。
 放射能汚染物質は色がついていないから、「そんなの大丈夫だよ!」といっちゃっている奴が平気でいる。あれが赤い色がついていたら、ちゃんと目に見えて良かったのにと本当に思う。そうしたら、原子力発電所から北西方向に向けて辺り一面赤い色が広がっているだろう。それが見えたら、とても除染したからといって「はぁ〜い、大丈夫ですよ、さぁ戻ってきてくださぁい!」なんていえない。何しろまわりの山に降った汚染物質はそのままなんだし、雨で下へ流れたかも知れないけれど、それが川に流れ込んでいる。川の流域のあちこちにそれが滞留しているだろう。川の水は流れて海へ到達するが、海に流れ込んだら、今度は海底に滞留している。そんな想像をしないでいられるのはなぜかといったら、そんな想像をしたら面倒くさいことになるからだ。そんな面倒くさいことに目をつぶっていれば、なにも問題は起きない。
 福島の子どもたちの甲状腺に問題が起きてこないわけがない。だれも安定ヨウ素剤を配布しなかったのだから。なぜしなかったのだろう。なにも起きなかったとしても、万全の対策を取るべきだったのではなかったのか。すべからくそうした思想が欠如してここまで来てしまった。
 非常用発電装置を移動させていたら、というたったこれだけのことであの原発事件は起きなかった可能性がとても高い。しかも、これをしておかなくて良いのかと国会で質問した議員がいた。日本共産党の吉井英勝がこの問題点を質問したが、安倍晋三の回答は「原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期している」というものだった。万全を期した結果がこれだった。国会で語られる万全というのはこんなものなのである。
 今日のNHKのニュースでは大熊町が新しい役場を建てていて、帰還を促しているというけれど、そのすぐ先は未だに帰還困難区域である。それでなくても、今一度あの地域に大きな揺れが襲ってきた時、万が一ボロボロの施設が倒壊して放射能汚染物質が再び拡散されたらどうするつもりなのだろうか。その時はその時で、また避難すれば良い、という考え方なのだろうか。