ほぼ足りてまだ欲 その先

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船舶事故

 今朝、香港の港外でMOL(大阪商船三井船舶)のマーシャル群島登録のコンテナ船が中国籍の貨物船と衝突。貨物船は沈没して乗り組み12名のうちの1名は漁船に救助されたが残りの11名は行方不明。
 で、コンテナ船+事故で検索したら、昨年の6月にインド洋上で船体に亀裂が入り、前後に断裂してしまって沈没したバハマ船籍のコンテナ船「MOL COMFORT」が引っかかってきた。2008年竣工の船でまだ5年しか経っていなかった新鋭船だ。乗組員26人(ロシア人11人、ウクライナ人1人、フィリピン人14人)は救命ボートで退避して救助されたそうだ。つまり高級船員がロシア系で、クルーがフィリピンということか。
 分裂して漂流していた船尾半分は沈没。船首半分は曳航しようとしたが火災が発生して結果的に沈没。火災原因は不明といわれている。
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 この船は同警7隻のうちの一隻で、世界で初めてハッチコーミングに47キロハイテン(高張力鋼)を使った船だという。鋼材供給は新日鐵。建造は三菱重工長崎
 昨年の6月というと私は外国をフラフラしていたからニュースを取り損なったのかも知れなくて、全く知らなかったのだけれど、これほどショッキングな船舶事故はその後日本では話題にならなかったのだろうか。なにしろ普通に走行していた最新鋭のコンテナ船、それも日本の超一流の素材メーカーの素材を使い、世界に冠たる造船メーカーが建造した船が真ん中からボキッと折れ、挙げ句に断裂してしまったのだ。
 船舶保険はMOLのことだから三井住友海上が担当してかけられていたのだろうけれど、多分再保険になっていたことだろう。
 こうした大型船の破損事故といえば私の年代だと第一中央汽船の鉱石運搬船「かりふぉるにあ丸」と前年に同海域で沈没したぼりばあ丸を想い出す。
 ところで、「MOL COMFORT」にはきな臭い匂いが漂っているといわれている。一番に論議の的になっているのは船首半分の火災だ。何故こんなところで火災が発生したのだろうか。もちろん予期しない事態の発生で、全く予測もできないことが起きた可能性があるけれど、普通火災が起きる原因が想定しえない部分である。

 同年12月に発表された国交省の委員会の中間報告によると「同型船(事故船と同様の構造設計の大型コンテナ船)を安全点検した結果、船体二重底船底外板に高さ20mm程度の座屈変形がみられる」としているが、いろいろ検討しても、納得できる推定ができていないので、「今後実船計測とシミュレーションによる船底外板の座屈変形の発生メカニズムの解明が必要」としていてまだわからない。