ほぼ足りてまだ欲 その先

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つまり高齢化の一途

永住帰国した中国残留孤児らが日本語や日本の習慣を学ぶ「中国帰国者定着促進センター」(埼玉県所沢市並木)の研修生が2015年2月4日、ゼロになった。
 半年ごとの研修期間の切り替え時期を除いて研修生がいなくなるのは、1984年の開所以来初めて。戦後70年を迎え、帰国者が減っているためで、次の研修生の受け入れは未定。センターは当面、日本語の通信教育などで帰国孤児のサポートを続ける。(讀賣新聞2015年02月05日 12時05分)

 戦後のどさくさで中国に残されていた、いわゆる残留孤児だった、あるいは残留婦人だった人たちの帰国が一段落したということだ。私たちは帰ってくることができた彼らが飢え死にすることもなく、母国に到着することができたことを中国の人たちに感謝しなくてはならない。様々なことはあっただろうけれど、死ぬ前に母国の土を踏むことができたというのは、彼らだけではなしえなかったことだ。
 なんで彼らはこんな事になってしまったのか、私たちはそれを学んできただろうか。それの検証に真摯に取り組んできただろうか。終戦の半年前のあの状況で満州という「王道楽土」に勇躍出かけていった時のあの前振りと戦後の混乱のあの落差を私たちは我がこととして捉えてきただろうか。
 残された人々のいくらかはこうして母国の土を踏んだ。しかし、彼らと一緒に生活基盤を日本に移すことになった人たちはうまく暮らせているんだろうか。そうではないという話も随分聴く。
 センターでの日本語の話し相手のボランティアに何度か航空公園からまっすぐの並木道を歩いたことを思い出す。全く言葉のわからない異国の地で暮らしを始めるのは並大抵のことではない。子どもたちならまだしも、成人してからはなかなか辛いものが多い。豪州のように大量の中国人が移民してきているというのであればまだしも、この国ではなおさらだ。
これもまた戦後70年を感じさせる記事だった。