B.B. King

　89歳。Las Vegasのホスピスで死去。

Live in Cook County Jail

　1970年の9月にシカゴのCook County Jailでのライブ録音盤。このユニットのままの演奏を1970年の10月に私はSan FranciscoのBroadwayにあった、今はなき「Basin Street West」で聴いたことがある。まったくこのアルバムの通りの構成で再現して貰っているみたいだった。B. B. Kingが44歳で脂がのった声に力と艶があって、これを聞いていると、彼の腰の動きまでが見えるようだ。あの時私の席は前から三列目のど真ん中で、ミニマムのジントニック二杯を前にして、緊張と躍動でワクワクだった。
　あの店は演奏が終わるとステージ横の扉が開いて、そこから客はでていく。必然的にステージの前を通る。B. B. Kingに握手をして貰って家路につく。どうやって帰って良いものか思いもつかず、タクシーに乗った。白人の運転手が今夜は何があったんだ？と聞くから、今B. B. Kingに握手して貰ったんだよ、と応えたら、彼はじゃ今夜は手を洗えないなぁと笑った。そうか、白人にも知られてんだなと思ったけれど、そうだったのだろうか。
　今じゃ、そのフル･アルバムをyoutubeで聞くことができちゃう。最初に刑務所の女性職員が司会をするのだけれど、その声が震えているのが笑える。