ほぼ足りてまだ欲 その先

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柳原良平

柳原良平の仕事 (玄光社mook)

柳原良平の仕事 (玄光社mook)

 こんな本が出ているのを知りませんでした。柳原良平さんは今年8月に84歳で亡くなりましたね。サントリー(当時は壽屋)の宣伝室で山口瞳開高健とともに活躍したことはよく知られていますが、山口瞳は1995年に69歳で他界していて、開高健に至っては1989年になんと58歳で他界していることからいえば長生きだったといって良いでしょう。
 「トリスをのんでハワイに行こう!」は山口のコピーで、アンクル・トリスが柳原のイラストであることはつとによく知られています。私は今でもトリス・ウィスキーがブランドとして存在していることも知りませんでした。
 柳原さんは船が大好きで、私にとっては、正確ではないけれど、その船の特徴をとても良く表しているイラスト(当時は漫画と思っていました)で大好きでした。昭和40年代後半に造船所で働いていたときに、フェリー船の進水式が盛大におこなわれて、船主から指定された招待客宛に招待状をお送りした中に、やはり柳原良平の名前があって、出席のお返事の葉書を見て喜んでいました。進水式が終わって祝宴会場へ移動するバスに最後の最後に乗ってきて、嬉しそうにしておられたのをまだ覚えています。あれからもう40年くらい経つというのに。
 大阪商船三井船舶は、毎年柳原良平さんのイラストのカレンダーを作っていました。日本のクルーズ船のきっかけとなったにっぽん丸の商談で三菱重工の攻勢に破れてからも、大阪商船三井船舶の担当が貰ってきてくれるそのカレンダーを愛用していました。
 柳原さんの作品展が21日まで横浜・関内のCERTE3階のせんたあ画廊で開かれています。
 展示の様々な柳原良平さんらしいリトグラフ、切り絵等の中に水彩で描いたものが数点ありました。とても味があるのに、とても楽に描いておられて、好感が持てます。あんな絵が描けたら良いのになぁと、見とれてしまいました。しかし、残念ながらその絵はこの本の中には掲載されていません。