大橋巨泉が7月12日に逝ってしまっていた。享年82歳。時間の問題だとわかっていたから覚悟はしていた。それにしても晩年二人して出演した「徹子の部屋」再放送の冒頭を見て、まったくがっくりしてしまった。あの状態の二人を見たくなくて、現実を逃避した。この世の終わりは着々と進行中。
いやいや、「上から目線」がうざったいオヤジだった。永六輔、前田武彦とともに私はラジオ関東の「昨日の続き」が最初の認識だった。もうその度に書いているけれど、当時私は高校生で、彼らは30代そこそこ。自信満々だったはずで、そんな会話を面白いと思って毎晩聞いていた私も相当に生意気だったことだろう。一緒に出ていた草笛光子の妹、富田恵子は79際でまだ元気なようだ。
彼らの世界にどっぷり浸かっていたのはやっぱり「話の特集」があったからというのもある。何度も何度も書いているけれど、あの雑誌は私にとって大きな意味を持っていたことになる。灘本唯人も黒田征太郎、横尾忠則、宇野亜喜良も、和田誠も、みんなこの雑誌で知った。そういえば宇野亜喜良も82歳だ。今でも「話の特集」は捨てられない。こうやって後ろを見続けていて、人生の行く先をもはや見ちゃいないな。