ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

 ほそぉ〜く開けた窓から、風が通る音がひゅ〜ひゅ〜としている。この音を聞くと、蒸し暑い、プリファブリケートされた、いわゆるモービルハウスという掘っ立て小屋に籠もって砂嵐が収まるのをやり過ごしていた砂漠の日々を思い出すんです。
 モービルハウスといったって、四隅に置いたブロックの上のちょこんと乗っけた、小屋で、アメリカでは工事現場用に売られているユニットで、六畳くらいの部屋二つの間に共用のトイレとシャワーが組み込まれたもの。トイレに入るときには向こうの部屋の鍵をかけておかないと、相方がガラッと開けちゃうこともある。ところが使い終わってその鍵を開け忘れると相方がトイレを使えなく成っちゃう。「オ〜イ、使ってんのかぁ、使ってないなら鍵開けてくれぇ〜」と叫ぶ。
 この方式どっかで遭遇したことがあるぞと思って想い出したのは新宿ゴールデン街の5人も入れば満席のバーだった。隣の店とトイレが共用だった。
 そんなユニットだから、建て付けが良いわけがない。なにしろアメリカ製だもの。砂嵐が来るとその隙間から砂が入ってくる。必死になってガムテープで目張りをする。ガムテープが足りなくなる。資材倉庫へいって、勝手に持ってきちゃう。
 そんな日々を思い出す。
 あれからもう既に36年が経った。