国立演芸場でシニア割引の切符を買うのは至難の業なんだって話をしたことがありますな。一人分を買うなら、その場で年齢を証明できるものを持っていれば良いので、すぐに買えますが、二人分を一人でやってきて買おうとすると、二人分の年齢証明ができるものを持ってこないと買えないというのでございます。ま、あ、そうだろうな、当然だろうなと思うのですが、しかし、その時提示した二人分の年齢証明ですが、その証明書、ま、普通は運転免許証だったりしますが、の持ち主が当日来るかどうかわからないですよね。確かに切符には右角に「シルバー」と印字されております。だから20代30代の若者だったらばれちゃいますけれど。
ところが電話での申し込みなら、その場で年齢証明をすることができませんからそのまま買えちゃいます。で、当日の切符の引き取りの時点で年齢証明を提示してくださいということになっておるそうです。だったら、わざわざ現場に買いに来た人にも、当日の提示で良いけれど、買い置きだ、ということにしてくれて良いんじゃないか、というのが大いなる疑問です。
で、その当日でございます。なんと私は迂闊にも電話で教えられた7桁の番号なるものを全く失念しておりました。映画のネット上での購入には4桁の番号が必要だというのは熟知しておりますので、いつもメモをするのですが、なぜか、この7桁をメモした形跡がないのです。
受付のお嬢さんは「ではお名前のわかる年齢証明と、電話番号を仰ってください!」と。「済みませんねぇ、訳のわからん爺さんで」と申し上げたら、つれ合いにはたかれました。
後から聞くと、後ろの方でやっぱりお姉さんが、並んだ爺さんに「番号をお持ちですか?」と尋ねたそうです。するとその爺さんもやっぱり忘れてきちゃった。で、なんだかんだお姉さんがご説明になり「やっぱり番号は?」と再度聞いたんだそうです。するとその爺さん「知らないっていってんだろ!?」と怒鳴ったそうです。
何で爺さんって怒鳴るんだろう、というつれ合いの質問です。私はその時わかったんです。作られた決まりを理解できなかった自分、一度恥を忍んで、「忘れた」といったのにもかかわらず、公衆の面前で、もう一度それを繰り返させられたことで前後不覚に陥っちゃったんですねぇ、その爺さん。なにも怒鳴らんでも良いじゃないかといいたいところですが、私にはわかっちゃったんです。「餅は餅屋に」ということをいってありますが「爺さんのことは爺さんに」ってんでございます。
さて、鹿芝居は「らくだ」でございます。大昔に東宝が芸術座なんかの芝居でこれをかけたことがございます。このときのらくだ役は古今亭志ん五でございました。多分師匠の志ん朝が出ていたんじゃないかと思います。今回のらくだ役は金原亭馬久でございます。今回の芝居で当たり役はこの馬久のらくだと兄弟子の馬玉の大家の婆さん役でしょうか。
ちなみに菊春と世之介のコンビは今年は中国マジックってことになっておりますが、もちろんそのマジックの相方が菊春のチャイナ娘(これがすごいんだ、ほんとに)でございます。
落語の方は馬久の「あんちゃぁ〜ん!あんちゃぁ〜ん!」の与太郎ものがよろしうございます。それにしても馬楽さんが寄合酒をおやりになって、懐かしく聞きました。高校生の時に、何かというとこれをあげました。「馬楽さん、おばさんも馬楽さんなんですか?」「そうそう、オバモ・バラク!」ってのはどうですかね?