ほぼ足りてまだ欲 その先

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てやんでべらぼうめぇ

 べらぼうがなんだかさっぱりわかりませぬな。良く落語の枕でそんな話をしていますね。
 昔のことで、その当時は自分で確認もしなかったのだけれど、今になってみると、なるほど、そういうことだったのか、ということに思いが至ったりするんですな。
 現役時代の最後に外国へ駐在したことがあるんですが、それまで私は「乞われるところがあればどこへでも行きますし、おまえは要らないといわれればそれでも良いんですよ」といっていた。なにしろ会社の方針なんてその時のトップの考えひとつでどうにもでも転がってしまうような時代だったといっても良いかもしれませんからねぇ。その上、自分がそうした方針を打ち出す立場に置かれていないことはもう十分わかっていました。あぁ、自分はひとつの駒でしかないんだから、この会社から離れる気がないんだったら、駒は駒らしくやれば良いんだなと思っておりました。なんでそんな気になったのかといったら、自分で選択するなんてことはかなわないんだと気がついた出来事があったからなんですな。自分の個性を生かす職場の見当がつき始めたことにそれを希望してみたら、なんちゅう反応もなく、そのまんまなしのつぶてだったということで明確になっていましたからね。
 そんな、もういいや、お気楽で、というような生活を送っていた頃、なにがきっかけでそうなったのか、もはやうかがい知ることが叶わないのですが、某子会社に来ないかという声が聞こえてきちゃった。どうも当時いた子会社の上司はこれを私になんの相談もなく断ったらしい、ということも一緒に、聞こえてきちゃった。惰性でやっている仕事よりも、大きく環境を変えてやり直してみたいな、という欲求がむくむくとわき上がってきちゃった。年甲斐もなく。もう一度がんばってみたい、という欲求ですね。当時私は自分にもまだやる気が残っていることにむしろ驚いたくらいです。
 今から振り返ると、あのときのドキドキ感というか、不安と希望にうろうろする感じというのが懐かしくて、「惜しかったなぁ!」という気持ちにさいなまれます。世の中そんなに美味しい話が転がっているわけはないんだけれど、あのときだけは「よぉ〜し!」という気になったんですよ。もったいなかったなぁ。