ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

木馬亭

 浅草に木馬亭という小さな小屋があります。日頃は浪曲協会が一週間くらい興行を打っていたり、いわゆる大衆演劇といわれる一座がやってきたり、その各劇団の座長が集まる公演なんてのがあって、そんな時は爺さん婆さんが椅子を持参してきて列を作って並んでいる。前を通ることはいくらもあって、造花の花輪がたくさん並んでいたりして、とっても距離の近い、すぐさま手が届く、婆ちゃんのアイドル達のたっぷり修正されたポスターを見ることがある。
 新聞屋さんが時々抽選で歌舞伎の三階席だとか、こんな小屋の入場券をくれる。これまで入ったことがない木馬亭に入ってみようといって、昨日からやっているという「浅草21世紀」という一座の公演に行ってみた。外から見たまんまの天井の低い、客席の椅子は、子どもの頃良く行っていた映画館のもののように、鋳物でできたベンチに取り付けた椅子。昔は赤い別珍だったかも。全席自由席。それでも中入り後にはふと気がつくと131ある席は埋まっていた。
 前半はそれぞれが出てきて漫談だとか、唄やら、コントとか。後半は14名全員出演の芝居「女はつらいよ」。「男は辛いよ」のパロディ。全員を出す為か、脚本考えるのが面倒なのか、衣装を変えなきゃならんからか、なにしろめったやたらと転換があって、その度に途切れ、闇を見ることになるので、段々飽きてくるんだけれど、ひっぱりひっぱり、最後に来月の告知まで。
 ちゃんと人それぞれに贔屓が来ていて、唄のお姉さんの着物の懐にご祝儀を挟んだり。すぐ傍にいるアイドルに拍手を送って「私はあの人の贔屓なんだぞ!」主張をみんなに見せびらかして気持ちよく一日を過ごす、そんな健全な、本当に罪のない、エンターテインメントなんです。
 考えてみたら友達が足繁く開催しているイベントそのままでございます。