ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

国立演芸場

[写真:平河天満宮] お友達からお誘いを戴いて国立演芸場の2月上席に行く。平日の演芸場らしくご高齢のお客さんばかりで到着すると皆さんロビーでお昼の箸を使っておられる。平日にここに来ると良くグループで来られている方々を見かける。今回も後ろの方にはいくつものグループがおられて中には日本酒の瓶を仲間に廻しているグループすらいる。いかにも寄席である。後ろの両隅、30席ほどが空いている。今日のお客さんは最初から笑う気満々で(笑うつもりがなくて来る奴はいないだろうけれど)ちょいとしたくすぐりにもうける。しかし、ここの寄席は12:45くらいから前座が出るから皆さんお腹がくちくなってからすぐだものだから、こっくりこっくり船を漕ぐ人をよく見る。外は雪がちらついて寒くても、中は暖かいしね。

  • 前座は女性の橘ノ美香で、寿限無だった。橘ノ圓の弟子のようである。「女性を弟子にとってくれる師匠はそんなにいないんですよ」といっていた。前座噺としては定番のものだけれど、もうそろそろこの噺は如何になんでも前座としてももう良いんじゃないかという気がしてきてしまうなぁ。
  • 次が二つ目の三遊亭遊喜。東洋大学卒で、今日のトリの三遊亭小遊三の弟子で、今日の演しものは「芋俵」。
  • コントD51は初めて見たのだけれど、こちらのデーターを見て驚いた。このふたりは兄弟で、あの「お笑いスタ誕」で2週勝ち抜いた実績を持つ。しかも当初はトリオで、三人ともが兄弟だったという。もう一人の弟は今は「サムライ日本」のあの眼鏡、及川のび太だというのだ。今日のコントは兄がおばあさん、弟が小学校の校長先生という役。香川県の出身だそうで、方言が随所に出てくる。なんだか「コント・ゆ〜とぴあ」の雰囲気を持っているけれど、客席のいじりが声が小さくて良くきこえてこない。
  • 春風亭柳太郎は柳昇の晩年の弟子で、4年で師匠が他界。昇太の弟子となった。明大中退。昨年真打ち昇進。新作。
  • ケン正木は平成7年に皇室に上がって奇術を見せた実績を持つ。今日は蛇の目傘を使ったもので、多分にバタくさい演出で、なんだか昔の米軍基地周りででもやっていたんじゃないかというくらいの雰囲気。日本奇術協会の重鎮のようである。
  • 次は三遊亭小圓右。あのつるつる頭で笑い顔がとても良かった三代目圓右の弟子。中学2年生の時が東京オリンピックで、ボーイスカウトだったから国立競技場に旗を揚げに行ったという。小平だったら東京何団にいたのだろうか。
  • 歌謡漫談・アンクルベイビー。ギターを弾く川崎出身の大川ひろしと小さくて動き回る山形出身のジョージのコンビ。昭和58年以来のコンビだというのだけれども、見たのは初めて。聴いたことのない唄が出てきて目を白黒。
  • 桂小文治宮戸川。勿論文治の弟子だったわけだけれど青森出身の割には言葉に怪しいところもなく、特に女性の演じわけがとても巧くて、さすがもう既に50歳に達するキャリアである。動作、所作がとても綺麗で声そのものも個性があるので、ますます良くなりそうだ。
  • 今日は悠玄亭玉八の代わりなのか、紙切りの林家今丸が登場。お客のリクエストに合わせて舞妓さんから切り始めるが、次がおばあさんが勢い込んで「篤姫」だなんていって、そんなの紙切りでどう表現すればいいか分からないだろうって。「鳳凰」といった人がいたんだけれど、これが神輿になる。助六を切ってくれといって切らした奥さんがご祝儀を包まれたのには脱帽。次に白鵬だなんていって土俵入りを切らせたお爺さんも祝儀を包むことに。
  • トリの小遊三は「粗忽の釘」だ。ポンポンと小遊三らしさが出るけれど、たまにはがらっと違ったものも聴いてみたいとは思うがそうもいかないんだろうなぁ。まくらで「寄席てぇものは世界一平和なところでございましてねぇ。来られている方は笑っておられるか寝ておられるかでございましてねぇ。罪がございません」てぇんだけれども、それだけ寝ている人がいたのかもしれないねぇ。