ほぼ足りてまだ欲 その先

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恒例

f:id:nsw2072:20181227070203j:plain:w360:left 年末恒例の、十一代目金原亭馬生独演会が昨夜、上野鈴本演芸場でありました。いまや、馬生独演会というよりも、馬生一門会と化しておりますが、それはそれで楽しうございます。この一門に出逢ったのは、学校の先輩のお店で開かれていた落語会だったなぁ。初めて行ったときは、一番弟子の馬治、二番弟子の今の馬玉の馬吉が馬生についてきて、切符の類いを売っていた。そのうちに、今年真打ちに昇進した三木助が弟子に来て、弱々しい青年を下を向いて聞いていた。次に今、馬久の駒松が入り、今年二つ目になった小駒と駒六がやってきた。どうやら七人目が弟子入りしているらしい。
 今日もまた三木助が枕で馬久の大学卒を取り上げて、今や学卒ばっかりだという。この手には三三(さんざ)がいて、彼は悪し様に学卒を馬鹿にする。大学出てまで噺家になるのかよ、といわんばかりで。三三は高校卒。三木助は大学中退。そういう人もいるし、大学卒業していろいろ考えながらここに来た人もいて良いじゃないか、と反発したくなる。噺家も講釈師も様々な人生を背負ってきていて良いと私は思う。
 何度も書くけれど、小駒は先代馬生の孫で、子役の時から芸能界を見てきた若者だから、舞台慣れしていて、それに比べたら全くの素人だった馬久を見ていると、不器用が見て取れる。それでも、私は彼にとって、それが良い肥やしになるような気がする。
 総領弟子の馬治が代書屋をやった。大体、代書ってのが時代的に随分中途半端になっちまった気がするが、馬治は本当に巧くなったなぁ。もっともっと聞きたい。
 とり前は柳家小春姉さんで、なんでも紫朝のお弟子さんだそうで、日本語でボサノバ歌ったり、面白いことをしている人のよう。ただ、私の席が思いっきり後ろだったからか、唄が聴きにくい。
 馬生の二席は仲入り前に「転宅」、二席目が歳押し詰まりましての「芝浜」だった。芝浜を聞いちゃうと、呑みながらかあちゃんの悪口が言いにくい、亭主連中。また「天狗」で呑む。安いと気に入っている。