ウチに猫が二匹います。一匹はプロフィールに掲げてある「マツ」という猫で、彼女はスコッティッシュ・ホールドという英国人が無理矢理造った種類の猫で、誰にも貰われず取り残されていた、不器用な猫です。
もう一匹は親もわかっていない三歳の猫です。彼女は全くの雑種だと思うのですが、しっぽがクネクネです。彼女はある雨の晩に、わが娘によって拾われてきました。雨がそぼ降る中、通りに植えられたツツジの植え込みの中で、みゃぁみゃぁと泣いていたんだそうです。雨、夜、小猫とくれば、そのまま通り過ぎるわけにはいきませんよねぇ。多分捨てた人はそれを見越してそんなところに放置していったに相違ありません。まんまとその人の策に溺れてしまったのでしょう。だけれども、小猫にはなんの責任もありません。彼女が勝手に生まれてきたわけでもないし、勝手にそこに出ていったわけでもありません。先に一匹猫が飼われているのもわかっているのに拾ってきたわが娘の行動を私は支持するものでございます。しかし、この子が私に触られることを良しとしません。たったひとつの例外を除いて。それは彼女に二ヶ月か三ヶ月に一度訪れる「春」の時です。ここに暮らす唯一の「男」である私にまとわりつきます。ホントのことをいって、嬉しいです。
先の「マツ」も、この「タケ」も避妊手術をしておりません。なぜか。獣医が「小さな個体に避妊手術をする自信がない」というのです。ま、内から外へ出ることもないので、困りませんが、彼女たちには気の毒なことです。