フリーのジャーナリスト木野龍逸の話を聞くことが出来た。彼の名前を初めて聴いたのは、3.11の福島第一原子力発電所の事件で、東電の記者会見がらみで彼が発信していたのを見ていたからだ。当初、あの発電所に関連する様々な事象に関して、官邸も東電も不誠実な対応に終始していた。それを一番伝えていたのは彼や49才で早逝した日隅一雄ら、フリーランスのジャーナリストの手によってであった。
凍土壁という言葉を久しぶりに聴いた。あれは本当に効果があったのかについて近頃全く聞かない。実際にはある程度の効果は出ていて、今では放射能で汚染された地下水は毎日100トン程度になったそうだ。100トンといえば少ないような気がするけれど、実際には25mプールが満水になるのに4日間もかからない。東電、規制委員会は最後は海に放水すれば良いんだと思っている様子がうかがえる。つまり、「全くコントロールされていない」のは明かだ。明らかにオリンピック招致の場で嘘をついてきた。多分それを今井ったら、当時は出来ていたんだ、位の嘘は平気でつき続けるだろう。
原子核燃料はとっくに突き抜けている。これをデブリ(つまりカス、ゴミ)として認識しているのだけれど、世界中の誰もこんなものがどんなものなのか、見たこともないし、どんな性状を呈しているのか、知らない。それが硬いのか、カサカサなのか、グズグズなのかわからないんだそうだ。だから、これからなにをやるのかといったら、まず、ロボットを造って、デブリを触ることから始めるんだそうだ。まだ、そんな段階。なにしろものすごい放射線量なんだからそれすらままならぬ。回収できるのかどうか誰もわからない。にもかかわらず、造っているスケジュールだから、どんどん先へ伸びていく。誰もそれがスケジュール通り出来るとは思っていない。
使用済み核燃料は4号炉以外は全部そのままになっている。福島近辺を震源地とする地震が報じられる度に心配になる。NHKの地震速報はこういう場合必ず「近辺のモニタリング・ポストの値に変化はない」というがそんなにすぐに結論は出ないだろうといつも思う。あのプールの水が漏れ出したら、その次にはとんでもないことが待っている。
こういう話をマスコミが継続して報道していない。やっているのはおそらく東京新聞だけだろう。
雪だ、雪だといっていたので、かなり用心して出かけたんだけれど、寒いことは寒いが、都内に雪は積もらなかった。都営地下鉄と都バスで帰ってきた。