半世紀日本を離れていた友人が、高齢となって、やっぱり日本で暮らしたいと、帰国を考えている。日本だけではないけれど、異国からやってくるととにかく暮らし始めるのが難しい。なにしろ暮らす場所を探すにしても、まず居住者として登録をして、住民票を手にすることから始めるわけで、おいそれとは始まらない。その上高齢だから、様々な壁が立ちはだかる。
しかし、高齢だからこそ、帰国を考えるわけで、ずーっと前から考えていたんだけれど、この国は戻りにくい。だからこそ出て行きにくい。フレキシビリティがないといえばいいのかな。
数少ないケースのことなんて考えていられないといっていたのは戦後のどさくさの時だったからだと思っていたら、どうやら、そのままになってしまっている。
そういえばアレもこれも、あの頃のまんまできてしまった。年金だって、教育制度だって、あの頃のまんまきてしまった。小手先のことで何もかもしのごうとしてきた。根本的に考え直すには大いなるエネルギーがかかるからだ。そんなことをしていたのでは選挙に勝てないからだ。目先のことばかりに囚われてきた。しまったと思ってももう遅きに逸している。