ほぼ足りてまだ欲 その先

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台本

 歌舞伎を見に行っても、役者によってはその台詞回しが良く聞き取れなかったりする。何しろ、歌舞伎役者の中心は世襲。いわゆる梨園の出の人たちが延々と紡いできているわけで、中にはしょうがなく歌舞伎役者を継いだけれど、そういう職業にむいていない人だっているわけで、そういう人のセリフがどうしても聞き取れないというのは良くある話だ。
 かつては良くテレビのマイホームものに出ていた岩井半四郎だって、歌舞伎の舞台ではもう悲惨なセリフだった。何しろ良く聞こえない。テレビだったらマイクが拾ってくれるから良いけれど、舞台ではマイクなんてないから地声が通らなければ、お客には、特に私のようなそこにしか座ったことがない三階席にまで届かない。
 それで、かねて思っていたことなんだけれど、そういうセリフを文字書きしたものがないものかと思っていた。たとえば、落語なんかだったら、速記本があって、先代の誰それのこの噺ってどうだったのか、というのが残っていたりする。
 そう思って検索したら、歌舞伎だって台本というものがあるそうで(私は全部口伝でやっているんだと思っていた)、そりゃそうだろう、と目から鱗国立劇場売店でも売っているんじゃないかという情報もある。多分昔のものなんかがその種の古本屋なんかで売っていそうだ。それでも、結構良い値段がするんじゃないだろうか。そうそう流通しそうもないものなぁ。