ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

Joe Cocker

 そうそう、今年はウッドストックから50年になる。夏にはいろいろ話題になった。あのステージを踏んだ何人ものミュージッシャンが既に鬼籍に入っている。早いところではJanis Joplinがそうだし、Jimi Hendrixもそうだ。5年前、2014年の暮れに、イギリス人のJoe Cockerが70歳で他界した。ウッドストックの時に彼はThe Beatlesが作った「With a Little Help From My Friends」という曲をがなりながら唄った。彼のスタイルは生涯をかけてそれで、多弁ではなく、可憐な声ではなく、しゃがれた声で、ドスンドスンと投げ込んできた。一時期、彼が50代の頃、私はなぜか彼に目覚め、彼のCDを買い集めた。その一部がまだ残っている。
 2013年の5月にウィーンの国立のイベントホールで彼のステージを見た。私にとっては最初で最後の彼の生ステージだった。私はほとんど外国からタレントが来ても生ステージを見に行くことがない。高いからだ。その時は偶々ウィーンに通りかかることがわかっていたので、早くから苦労して切符を入手していた。当時は切符を日本へ航空便で送ってきた。それが巧くつかなかった。今だったら当然、pdfかなんかでメールに添付してきたことだろう。もしくはアメリカの切符業者のように、転売防止のために直前にMobile限定直送だったりするだろう。揉めた末に、とうとう彼のステージを見た。いつものようにTシャツの首回りをびっしょりと汗に濡らしながら、およそ流行のミュジッシャンらしからぬ風貌のJoe Cockerは熱演した。一年半後に彼がコロラドで死んだことを知った。


Joe Cocker - With a Little Help from My Friends (Official Live)


 カサブランカという映画の中で

「十年前、君は何をしてた?」
「歯にブリッジをしていたわ。あなたは?」
という部分があると、和田誠の「お楽しみはこれからだ」(1975/6/30)にあるんだそうだ。ブリッジじゃ年寄り臭い。これは今でいう「ブレース(brace)」のことで、つまり私はまだそんな矯正をしているくらいの幼い年齢だった、と云う意味だ。つまり、この一言で、この女性は私はまだ若いのよ、といっているということだ。
 そういえばあの映画、未だにちゃんと見たことがない。ハンフリー・ボガードなんだけれど、私は彼の顔を見る度に、誰かに似ているなぁと思っていたんだけれど、たぶんそれはエド・サリバンじゃなかったか。