ほぼ足りてまだ欲 その先

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あとをひく

f:id:nsw2072:20191127004438j:plain:w360:left 戦争は後を引く。その傷跡は後々までず〜っと、ほぼ永遠に続く。もう戦争が終わって70数年経っているけれど、まだまだあちこちにその影響が残っている。
 あの戦争で家族を失った人たちは数を数えられないほどおられる。たったひとりになって、施設で大きくなった人たちは多分統計の中に数えられていないんだろうけれど、驚くほどいるはずだ。その人たちが今や他人様の手を借りる生活を余儀なくされている頃合いだ。スティグマという言葉があって、これは日本語にしにくいのだけれど、例えば人の手のお世話になることに対して申し訳ない、手を煩わせるような立場には立てないと思うような気持ち、とでも云うものだろうか。そういう人たちが未だにおられることを良いことに、介助、介護の社会的資源たる施設、スタッフをより重要視するという視点が今の政府にあるのか、といったらこれはもうどんどんなくなってきていると云っても良いかもしれない。これは戦争の傷跡なんだと認識されていないのかも知れないけれど、そういう傾向がないとは限らない。
 時々新聞の地方欄に、当時学校での授業が行われなかったので、今になってようやくそれを埋め、卒業式を執り行った、というような記事が良く出ていた。国の政策で、子どもたちは「皇国の赤子」として「撃ちてしやまん」だった。棒に振ったわけだ。それが戦争だ。それを知りもせずに、この国を防ぐ、そのために小さな核爆弾だったら憲法に反するモノではない、という詭弁を弄する男にモノの見事に騙される若者が気の毒というか、無知だというか、考えただけでもイライラする。
 権力者はあたかも全能のような振りをして、国民を騙す。アドルフ・ヒットラーを引き合いに出すまでもなく、すぐそこに、平気で国民を騙して平気の平左な男がいる。こいつのやったこともかなり後まで傷跡が残りそうだ。