ほぼ足りてまだ欲 その先

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本屋

f:id:nsw2072:20200420231610j:plain:w360:left 本屋が開いていない。日本橋丸善も、銀座の教文館も、地元のSCも閉まっている。八重洲ブックセンターだけは辛うじて平日のみあいているらしいが、それはいったいなんでだろう。それでも八重洲口へ行くには地下鉄に乗らなくては行かれない。地下鉄に乗るのを避けている。不便だが、「それだったら積ん読の本を読めば?」と目の敵が言う。悪かったなぁ。

 本屋といえば、これまで遭遇した本屋でもっとも驚いたのはベルリンの「DUSSMANN BERLIN」( Friedrichstraße 90, 10117 Berlin)だろう。Friedrichstraßeの駅から目と鼻の先にある。もっとも本屋といっても、私はドイツ語が読めないから(大学で追試を受けたくらいだから)本屋としては全く役に立たないのだけれど、ここは各種音楽の音源販売としては素晴らしい在庫とシステムを持っていた。
 今でもそのシステムを保持しているのかどうか知らないけれど(甚だ無責任で申し訳ない)、少なくとも5年ほど前まではこのシステムをとっていた。どんなシステム化というと、どんな音源でも、つまり今だとCDだけれど、全てといって良いほど在庫があり、その全てを実物で聴くことができる。各ジャンルごとに既に封の開いたものがあって、ずらりと並んだCDプレイヤーをつかって、優秀なヘッドフォンで聴くことができる。誰でも、無料で聴くことができる。サンプリングをして聴くのではなくて、全曲をまるまる楽しんでしまうことができる。ということは、つまりホームレスではないかとおぼしき人でも入ってこられれば楽しむことができる。最新のものなんぞで、その開封された音源のストックに並んでない場合では、店員に申し出ると、こともなげに、未開封のものを取りだして、バリバリと開封してしまう。そして客に「ハイ!」と渡してくれる。それでは必ず開封済みができてしまうわけだけれど、これをどうするのかというと、時間が経ったら、格安プライスにして売る。この類いが美味しい。驚くべきことに全集ものまであいている。クラッシックスの数十枚ものですら、あいているものがある。日本のレコード屋(正式にはほとんどCD屋)でも、バーコードを読み取らせて開封せずに聴かせるシステムがあったけれど、こっちはどっかと座り込んでじっくり楽しむことができてしまう。忙しい人たちには全く意味がなさそうだけれど、暇な人たちには信じられないほどの桃源郷だった。