ほぼ足りてまだ欲 その先

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RBG

RBG 最強の85才(字幕版)

RBG 最強の85才(字幕版)

  • 発売日: 2019/12/03
  • メディア: Prime Video


 なんだ、今頃見たのか、といわれそうなところですが、随分前の放送の時に、録画していて忘れていました。それが昨日の夜に再放送が始まり、前編を録画したところで、「そうだ、後編も録画していたはずだ!」と気がつくというていたらく。歳をとるというのはこういうことかも知れません。こんなことをいうとそれこそRBGに笑われるでしょう。
 Ruth Bader Ginsburgは昨年の9月に87歳でなくなり、それまでの27年間、アメリカ合衆国最高裁判事でした。かの国の最高裁判事は9名、任期がなんと終生というのは実に驚きで、彼女が亡くなるまで私はそんなことになっているとはつゆ知りませんでした。あの国の司法システムはわが国のそれとは随分違っているので、興味がないと、なかなか理解ができませんよね。彼女の死後、あの思い出すのもイヤな当時の大統領が「保守派とされていた判事エイミー・コニー・バレットをギンズバーグの後任として指名し、上院司法委員会は大統領選挙投票前の10月26日にバレットを52対48の僅差で承認された(ウィッキペディアから引用)」。
 大統領選挙のあと訴訟になった時に、これで最高裁はトランプの側に有利になるだろうといわれていたので、随分憂慮したのだけれど、なんとふたを開けてみたら、9名の判事の半分以上を占める、彼女も含めた、いわゆるコンサーバティブ(保守的)とされる判事も「その証拠がない」と前(思い出したくもない)大統領の訴えを却下した。こういうところはかの国のフェアネス精神が生きている側面だと思いますが、そうでない側面だって、いくらもございます。
 このテレビ番組の中でRBGが「憲法はその制定された時の状況を充分考えて理解しなくてはならない」という考えを提示しますが、私は思わず「あっ!」と声を上げてしまいました。そうそう、そういうことなんですよ。私たちのこの国の「憲法」もあの憲法が制定された時の時代状況を踏まえて考えなくてはならないのです。あの憲法はいつ制定されたのでしょう。リーマンショックのあとですか?オイル・ショック(世界的にはエネルギー危機energy crisisといわれていますが)のあとでしょうか?いやいや、300万人の日本人があれよあれよという間に死んでしまい、他国の人々を巻き込み、傍若無人の限りを尽くして破れ果てた、あの戦争によって破壊され尽くした瓦礫の中で制定された憲法なのです。もう、忘れちゃったんですか?あ、忘れたいんだということですか?忘れちゃいけないんだなぁ、あの悲惨な考えを平気で持っていた、私たちのことを。
 「女性が多いと会議が長くなって閉口だな」というのは、単なる軽口だとでも思っていたからこそ、世界の多くの人たちから、そんな考えを持っているオリンピックなんて如何なもの!?と反論を浴びせられて、それでもまだ気がつかない場合には、もはやわが国の国会にとどまって戴く必要はないのではないかと、このテレビ番組を見ていて思いました。
 彼女が戦い続けた足跡を見ると、それこそボォ〜ッと生きていたんじゃまずいなぁと目が覚めちゃいました。