ほぼ足りてまだ欲 その先

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アスリート・ファースト

 森喜朗オリンピック組織委員会会長の評判がどうであろうとなかろうと、今回の東京オリンピックの開催の可否はもはや風前のともしびといって良い状態に追い詰められている。安倍晋三前「嘘つき」総理大臣も、小池百合子「精神論」東京都知事も、どうにかして、ごまかせるものはなんでもごまかして、東京でのオリンピック時に人前で目立つことができるように腐心してきたという印象が私には強く映ってきた。何かといえば、「アスリート・ファースト」だといってきた。その後ろに構えている自分たちの「利権」はセカンドながら、アスリートを前に出していけば自ずとついてくる。
 観客がいない競技は、場内がとても静かで、日頃聞こえない様々な音が聞こえて、かえって臨場感があるという面はあるかも知れないけれど、わっと盛り上がる歓声がないわけで、盛り上がりに欠けることはこの上もない。
 この週末のPGAゴルフのWaste Management Phoenix Openは5千人と、わずかながらギャラリーを入れたので、ショットの度にファンの大きな声が聞こえる。明日のSuper Bowlでは医療関係者や一般の観客を2.2万人入れるといっている。最大収容人数の34%に相当するそうだ。それもやはりワクチンが導入されているからでもあると報じられている。
 翻って、日本の状況はどうか。国会での河野太郎ワクチン大臣の答弁によると、ワクチン接種が始まるのは、多分4月より前にはならないだろう。つまり、オリンピックが始まる予定の7月にはそれほど拡がっているとは期待できない。まだ、準備の目途すら立っていない。問題が起きた時の処理の仕方についてのシミュレーションもできているとは考えにくい。
 「アスリート・ファースト」の中には、アスリートたちのパフォーマンスに呼応してくれるスペクテイター、観衆の存在も含まれていると考えるべきだろう。NFLのSeattle Seahawksでは12番目のプレイヤーとして、地元の観衆の力を謳っていて、スタジアムには「12」を大書した大きな旗が翻る。
 そのスペクテイターをPCR検査の数を絞って、誰が既に感染しているのか、そうでないのかをはっきりさせないままに放置しているんだから、こりゃいつまで経っても解決するわけがない。どうして、できるだけPCR検査を未だに徹底させようとしないのか、その論拠が全くわからない。ネガティブな人たちをポジティブな人たちと混在させれば、誰が考えてもどんどん感染が拡大すると云うことではないのか。なぜ、これは実行されないのか、それは一体何のためなのか、不可解であり、論理的だとは思えない。