2019年12月の出版。東京オリンピックといえば、まず最初に思い出すのは、マラソンの円谷幸吉だった。国立競技場に帰ってきてから、イギリス人ランナーに抜かれて銅メダルだった。彼は三年後に自殺する。銅メダルを取ったにもかかわらず、自殺かよ、と当時はものすごく驚いた。彼が自衛隊の人間だったから、あぁ、やっぱり滅私奉公、国に捧げながら報いることができなかったことを悔やんだったんだろうな、とあれからずっと思っていた。
彼は実にマメな男で、なんと彼女から来た手紙をノートに書き写していたというのだから、驚いた。
