ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

わかってない

ひさしぶりに某大学の先生が主催されている、Zoom社会人ゼミナールだった。
デマゴギーにみるような、「イメージ」と「リアリティ」の関係を社会学的に、というお話で、なにしろ社会学の素養がまるでないものだから、出てくる言葉、人の名前、初めてのものばかり。
それでも、語られる例が、聞いたことがある事象なので、なるほどなるほどと。

「命のヴィザ」の発行人として、ユダヤ人社会では恩人と云われる杉原千畝は確かに、リトアニアで最後までヴィザを書き続けたのだけれど、それによってシベリアから敦賀に難を逃れたユダヤ人は、一体何から逃れたのか、というポイントに目を止め、そこを大著をもって解き明かした人がいる。ナチスからの難民ではなくて、ソ連共産党政権からの難民だったという話らしい。
なるほど、あの時点では、まだリトアニアナチスに蹂躙されてはいないのだ。
600頁を超える著書を著した研究者の話を来年聴く予定だと云うことだ。

 終わりの方で、先生のかつての教え子だと云われる還暦あたりの「若者」が発言していたのを聴いていると、他の聴講生がどんな年齢の、どんなバックグラウンドを持つ人たちか、という点を知らないからなのだろうけれど、自信満々な語り口で、そういえば、この辺の年齢の頃は私もそうだったんじゃないかと、反省しきりである。怖さを知らなかった頃の自分を思い返すと、実に恥ずかしい。

小三治、死す!

 噺家人間国宝柳家小三治が亡くなったそうだ。81歳と、まぁまぁの年齢か。長いことここまで体調を誤魔化し誤魔化しやってきた感じがする。大分弱ってきていた。高座に出ている湯飲みの中身は薬なんだと、テレビでやっていた。(あ、そうだ、NHKがどんな番組を流すのか、楽しみだ。)ところが撮影していた日に、その湯飲みに、その日の前座が慣れてなかったのか、普通にお茶を入れて出した。すると小三治の弟子の、あの三三が「ダメじゃねぇか!」と叱るんだね。小三治はふふふ、って顔している、「まぁ良いよ」って。ま、そうしたものだよね。小三治本人が「冗談じゃねぇんだ!」って叱っちゃったら前座はもうやめるしかなくなっちゃうものなぁ。小三治は予備校へ行ったことがあるらしい。しかし、大学は行っていない。なにしろ若い頃から素人演芸会を軒並み出て歩いたってんだから、天才だ。そういう点では、志ん朝の感覚に似ているかも知れないなぁ。
 いや、実は私は三三が好きじゃないんだよ。自分の才能を過信しているからだ。フン、ッてんだ。

初天神、小言幸兵衛、鰻の幇間・・・
 若い頃はバイクを乗り回し、オーディオに凝って、それぞれの方でもファンに親しまれていた。やっぱり彼は若い頃の噺より、歳がいってからの方が面白かった。誰もがそう云うし、そんなタイトルの本もあるけれど、長い枕が面白かった。誰もがそれは納得するだろう。「落語研究会」の録画でもみようかなぁ。


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 昔の噺家の真似が巧いんだ。