ほぼ足りてまだ欲 その先

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ペルーの日系人

 藤森という人が大統領をしていたペルーという国はマチュピチュとかウユニ塩湖(ボリビアだけれど、入り口として)で知られているけれど、日系人大統領を輩出したくらいだから、日系人社会は大きいんだろうと思ったら、全人口3200万人の中にわずかに8万人なんだそうだ。そんなマイナーな民族からどうして大統領が出たんだろうかと不思議ではある。
 藤森はそれまで日系人社会に直接関与を持たずに大学で教鞭をとっていたまま、突然大統領選に立候補。日系人社会は余計なことをしてくれるな、という雰囲気だったと、日系ペルー人から紆余曲折を経て日本に帰化した30代後半の大学の研究者が説明してくれた。それまでにペルーでの日系人の評価が「真面目に」「勤勉に」働く人達だというイメージを持たれていた、そんなイメージを藤森はうまく利用したといっていいだろうという。
 それがその後、実態がバレてしまって日本に逃げたといわれている。その藤森の娘が先日の大統領選に立候補していたが、先住民出身の候補に破れた。それでは先住民は高く評価されているのかといえば、決してそんなことはなくて、今でも彼がちょっとした発言を失敗すると、揚げ足を取られているという。日系人社会と先住民のコミュニティはそれぞれ離れているので、接触する機会がそんなにあるわけではないが、ペルー社会では先住民コミュニティを下に見ているのは間違いがない。

 ところで、日本には今やこんなにたくさんのエスニシティを持つ人達が暮らしており、かれらの食べ物はどんどん拡散しており、私のような食べ物に関して非常に保守的な人間からは驚くほどの展開である。にもかかわらず、政治の世界にはほぼそれが反映されていない。私が知っている限りでは前回の参議院選挙の比例区で時点で落選してしまった白眞勲くらいしか知らない。かれは2003年に帰化している。
 これだけ多くのエスニシティを抱える人達が暮らしているというのに、あたかも邪魔者のような対応しかしない政策がいかに大事なファクターを無駄遣いしているのか今の政権が理解しているとはとても思えない。ま、もっともこの政権は何もかもまともに考えちゃいないわけで、政権というよりも「選挙屋」集団でしかないのではある。