ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

日系米国人

 先の大戦真珠湾で勃発したとき、翌年の2月、セオドア・ルーズベルト大統領は行政命令9066号を発し、日本人および日系米国人のうち、西海岸地域、第一軍事地域に居住する12万人の強制収容をした。帰化を阻止されていた日系一世たちは国籍が日本だったけれど、その子どもたち日系二世は米国生まれであれば当然国籍はアメリカであって、正当なアメリカ人だったのにもかかわらず。しかも、同時に米国が対峙していた、いわゆる枢軸国であるドイツ、イタリア人たちにはこのような措置は執られていなかった。
 つまり、このときの日系人たちは、トランプ政権によるアラビア系11カ国出身者に対する偏見と現象としてはほぼ変わらない。
 当時、どのような生活を送ってあの戦争を凌いだのか、という記録がかなり書かれていて、その性格上、日本語に翻訳されているものは少なくない。
 古本屋で、これを買った。

荒野に追われた人々―戦時下日系米人家族の記録

荒野に追われた人々―戦時下日系米人家族の記録

 残念ながらカバーはなくなってしまっているものだったけれど、500円で入手できた。戦前に移民してきた日本商社に勤める父と、当時にしては珍しい京都の同志社を卒業した母親を持つ日系二世の女性が書いたものだそうだ。
 そろそろこの辺の文献を整理しておかなくてはならないなぁと思う。
 この本の翻訳者の方が、巻末に訳者後書きを書かれていて、著者のYoshiko Uchida(内田淑子)さんは多くの著作があって、1971年には「Journey to Topaz」を書いておられて、これはやはり日本語に翻訳されて出版されていると書かれていた。
 早速調べてみると「トパーズへの旅」として1975年に出版されていて、これがなんと文庫にまでなっている(1983年)というので、早速古本を発注した。
トパーズへの旅―強制収容所 (評論社文庫)

トパーズへの旅―強制収容所 (評論社文庫)

 あっという間に届いたのですが、ノンフィクションだとばかり思っていたら、どうも自分の家族をベースにしたフィクションの様で、文献として使うのはどこまで可能か、疑わしいかもしれないという危惧を抱いてしまいました。