ほぼ足りてまだ欲 その先

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柳家小里ん

 今年の3月に石井徹也という宝塚・落語評論家が67歳でなくなった。私は全く知らなかったが、もとはといえば出発点は放送作家だそうで、早稲田の落研だったらしい。落語の評論家といったら吉川潮ぐらいしか知らない。
 どんな人だったのかと思って検索したら、この本にぶつかった。五代目柳家小さんといえば、永年落語協会の会長を努めてきた、いわゆる「名人」で、あの風貌からもテレビの広告なんぞに使われてきたから、広く日本全国に有名な人物だった。しかし、噺家としてはあまりにも知られていて、私の好きだ、嫌いだのリストには登場しなかった。

 この本を読んでみたいなと思ったのは語っているのが五代目柳家小さんの弟子の柳家小里んだったからだ。柳家小里んは1948年1月、台東区の生まれで小学校は地元の田原小学校。三社祭は寿四丁目、通称「ことよん」で担いでいた。つまり私の連れ合いと同学年だっただけではなくて、彼の息子はうちの息子と同級生だった。私は彼のことは全く知らなくて、寄席では何度も彼の噺を聞いているけれど、挨拶もしたこともなければ、もちろん口を利いたこともない。彼は小さんに弟子入りしてから足掛け6年も内弟子だったそうだ。

 ひょんなことから知ったこの本だけれど、かなり興味深い。それにしても、小里んの地元の図書館にこの本がなかったのはとても残念だ。隣の区の図書館から借りだした。

 次は「十代目 金原亭馬生 噺と酒と江戸の粋」を借りてこよう。