ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

鈴本

 本日は鈴本でございます。上野鈴本演芸場でございます。なにかってぇと十一代目金原亭馬生独演会、というタイトルではございますが、その実は金原亭馬生一門会でございます。「もう独演会というのはよしにして一門会にしようかと思っています」と本人がそういっています。前座は小駒。出てくるなりからしてシャナリシャナリと出てくる。「こほめ」。
馬久が「堀之内」、三木男が「長短」、馬玉が「たがや」をやって馬生が「厩火事」で仲入り。一番弟子の馬治が「反対俥」なんだけれど、この俥屋が凄い!種子島まで行って宇宙へ飛び出す!もはや馬治の噺はとどまるところを知らない。
 で、このあとがなんと風間杜夫の「湯屋番」です。手慣れたもんですよ。そりゃそうだ。有名だもの。彼は池波志乃俳優座で一緒だったといいます。へぇ〜!その上、彼は2010年に紫綬褒章なんてのをもらっているってんです。驚いちゃいます。(追記・翌日のテレビのクイズ番組で、平泳ぎの北島康介はこれまでに紫綬褒章を三度もらっているという!)
 大トリは馬生でこれがさすがの「死に神」でございました。自分で吹いて消してしまうという落ちでございました。
 桂三木男が9月下席から真打ちとなって五代目・桂三木助を襲名するんだそうだ。奇しくも馬生師匠がぽろっといったように、やっぱり彼は「預かり」だったわけで、そうでなかったらなんで、ここで「桂」なんだよぉ、といわれてもおかしくない訳です。
 彼が馬生門下に入ったとき、某鰻屋さんでの落語会で初めて馬生師匠が彼をお連れになって、なんだかヨレヨレしていたのを今でも思い出す。彼はもう一皮むけて欲しいねぇ。
 馬治は真打ちになってから、本当に目に見えて噺がうまくなった。もっともっと聞いていたいと思うようになった。さすがだ。
 私の席は後ろから5列目くらいだけれど、真ん真ん中だった。右からも5つめ、左から6つめだった。左側には友人一行が座っていたので、立ってもらって真ん中に座った。右隣は大きな人だった。「お邪魔します」といって座ったけれど、反応はなかった。愛想のないオヤジだな、と思った。ところが途中で気がつくとピアスをしている。爺のくせに洒落たマネをしやがると思っていた。しかし、ふと気がつくと、ずいぶん甲高い声で笑う。へぇ・・・と思っていると、ある瞬間に突然気がついた。ナンダ、婆さんだ!