ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

昔の仲間

32年前に大学を卒業したとき、サークル二つに所属していた。音楽系とスキー系である。
音楽系はオリジナルの曲を作って演奏するグループ。当時はできたばかりだったけれど35年経った今では大学内でも最も大きな音楽サークルになっているらしい。そうなるといろいろあるわけで、組織としての内的ユニティーというよりも、対外的な組織力を期待する集まりになりつつあるような気がする。サークルの部室棟のような建物ができているが、この中で相当な大きな態度をとって顰蹙を買っているらしい。
 当時はオリジナルの曲を作る大学生の集まりというのは非常にユニークで、しかもロックに日本語の詩を載せるということが普通の状況ではなかった。よく、この話を聞いた人から、へぇ〜!そんなことをやっている学生がいるのか!といわれたものだ。今となってはごくごく当たり前のことだ。1970年の8月にサンフランシスコに2ヶ月間滞在して、唄は自分の意図をきちんと聞き手に伝えられなくては意味がない、との思いが強くなっていった。
 と、ここまではなかなか格好がよいのだけれど、実は在学中に、たったの4曲しか作っていないのだ。そんな才能はとてもなかったということだ。しかもそのうちの1曲は「演歌」だもんな、「演歌」!だから今でも演歌は大好きだ。でもカラオケでは最後の最後までみんなは演歌は歌わない。一応反則ということになっているが、実は演歌に行き始めるとどこまでも行ってしまうのだ。日本人のおっさんたちは、実は遺伝子はそっちがほとんどを占めているんだからしょうがない。このサークルを創設した2年先輩には才能の溢れる方たちがぞろぞろとおられた。最も多くの曲を作られた方は在学中に300曲を作りだしていたという。

 このサークルからはその後も音楽業界で暮らしているメンバーがたくさんでている。一番歳上はThe Wild Onesのサイド・ギターでリード・ボーカリストの鳥塚繁樹先輩。知っている人は知っている、ムーン・ライダーズというバンドがあるが、その中には三人。岡田徹武川雅寛白井良明。(尤もクジラ・武川君以外はあっていない。) 
ソロで活動している渡辺勝。ギターの岡崎倫典。ドラマ音楽で大売れしているらしいオンドリャ・渡辺(金曜の妻たち)。今でも活動しているらしい斉藤哲夫(♪今の君は、ぴかぴかに光ってぇ〜)。若手の中にはおっさんたちは全く知らないミュージッシャンがいるらしいし、アマチュア連中も音楽仲間を集めては、ライブを開いたりして楽しんでいるメンバーはあっちにもこっちにもごく普通に存在している。OB連中と出会うと酔っぱらって「じゃぁいくかぁ」という話になってでかけるカラオケは、実に濃い!何を唄ってもハモがきちんとついてしまう。ママズ&パパスの「夢のカリフォルニア」に至っては盛大なバックコーラスが朗々とついてしまう。うざいっ!(^◇^)アハハ。

確か2学年下の学年に荒木君というのがいた。彼が卒業後に出した「和作」というアルバムがあった。サウンド的にはフォークロック(古い言葉だ・・)とビートルズの融合でありながら、詩の発想もとても自然で良いハモだった。友人がこれを買ってコピーテープをくれた。これが実に心地の良いサウンドとなっていた。しかし、このアルバムは売れたという話も聞かなかった。10年ほど前に仲間にあって聞いたのは、彼は今は植木屋さんになっているという。ある日、このカセットテープが切れてしまってそれっきり。良い曲だったのになぁと思っていた。

つい先日ラジオで彼の曲が流れてびっくりした。そのアルバムの冒頭に入っていた「Drive日和」という曲だった。驚いた。その番組の話を聞いていると、どうやらこの辺のサウンドを良い!といっている層がいるらしく、いまやCDとなって再販されているらしい。山野楽器・銀座店で取り寄せをしてもらってようやく入手。3000円近くした。鳴らしたら・・アァ〜!これだ、全く変わっていない!(当たり前だろ、元ネタ一緒だ)びっくりしたなぁ、LPだったわけだけど、全曲で30数分しか入っていないのね!!そういえば、昔はそうだったんだ。今でもカントリーのCDはその程度の時間しか入ってない。バック・グラウンドとして音楽を流している身としては、これはちと辛い。音源を身を挺して作り出している人には申し訳がないけど。あぁ、それでなんだ!何枚ものCDを入れることのできるCDプレイヤーがあったりするのは。

「和作」
荒木和作&やまだあきら 税抜き2,800円
http://www.ymns.com/showboat/list.html