ほぼ足りてまだ欲 その先

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無策

nsw20722004-06-24

 落とした中学生はマレーシアから、落とされた5歳は中国からこの日本という外国人の定着を真剣に考えているとは言えない国にやってきた。例えば中国大陸に取り残されていた日本人の子どもたちは現在ほぼ60歳代。日本に帰って来るにしても中国人の配偶者、子どもたちがいる。その人たちをいずれの状況下にしろ育ててくれた中国人の養親たちは80代だったりする。


この人たちは全く日本という文化にこれまで触れることもなく人生を送ってこられた。しかし、やっぱり自分が生まれた国に暮らしたい、という気持ちは抑えることができない。
“効率から云ったら”何もそんな言語の通じない、生活のパターンも全く違う文化の中に生きなくても良いじゃないか、と思う。苦しいじゃないかと思う。理解できない文化の中では価値観も異なるのであるし、なにもかも食い違
ってしまうのだから無理してこんな生活なんか選択しなくたって良いじゃないか、と思う。


思うけれども、人はそんな理不尽なことでもやっぱり選ぶことがあり得る。もちろん中国の地方に暮らしていた人々にしたら、日本に行って暮らすことがどんなにか素晴らしい生活をもたらしてくれるはずだ、という幻想をいだいてしまうことも少なくないだろう。
まさか、日本という国がこんなに異なる文化に対して排除することが当たり前になっているのだとは思いもよらないだろう。


 外国から帰ってきた子どもたちは、普通に日本の学校にはいるとそれまでどこに暮らしていたかという話をどうしても明らかにすることになる。それだけで、もうすでにいじめの対象になってしまう場合が少なくない。だから、帰国の子どもたちばかりで固まってクラスを構成する学校すらある。そんな学校では他のクラスの子どもが「帰国の奴らは・・」という会話をする。


「そんなことを云っても帰国の連中はうるさい!」という連中もいる。きちんと主張するという「うるささ」もあるけれど、特に米国から帰って来た子どもは大声で平気で電車の中やバスの中で「騒ぐ」ので嫌がられる。(実はこれは日本だけでの傾向ではない)
彼らのその心の底に(アメリカの方が日本よりも、他の国よりも優っている)という意識が潜んでいないか、というと嘘である。実は日本人であり、日系人であるにも拘わらずである。