万博閉会の挨拶で小泉という人が「日本からはじまった”もったいない”の心が・・」と仰っていたようだけれど、”もったいない”という言葉を全世界的に有名にしたのは残念ながら日本人ではなかったようだ。機にいるに敏な人は政治家に向いているなぁ。里山を残した、廃材を利用した、参加した人たちの環境に対する意識が変わった、経済効果が大きかった、ということを終わってみて聞く万博である。
実は私は31年前の大阪万博、沖縄の海洋博覧会、つくば科学万博ともにいったことがなく、今回も行っていない。横浜のみなとみらいで開かれたEXPOじゃなかった横浜博覧会、あるいは大阪花博覧会は仕事絡みでいっただけ。根本的に人がたくさん集まるところが好きじゃないというのが根底にあるのかもしれない。
今回も何時間待ちといって並んでいるのを見るととても考えられない。日本人が今でもこんなに根気があるとは思わなかった。入場者の年齢別構成なんてものが分かると面白いんだろうなぁ。
各紙の記事から見ると:
国内では、大阪万博以来35年ぶりの大規模博となった愛知万博は、地元の海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)でオオタカの営巣が確認され、大幅な会場変更を迫られたのをきっかけに、「環境」を前面に押し出した。自然に出来るだけ手を加えず、環境保全の技術を駆使した会場設営が行われた。内外約100の民間団体が参加、延べ10万人を超えるボランティアが運営に携わるなど、市民参加も特徴となった。
博覧会協会では会場の規模などから1500万人の目標入場者数を設定。最終的には700万人余り上回り、日本で開かれた国際博としては大阪万博(6422万人)、大阪花博(2313万人)に続く入場者数を記録した。
(2005年9月26日1時55分 読売新聞)
入場券販売の大幅増収で収支は100億円近い黒字となる見通し。地元シンクタンクの調査によると、万博の経済効果は約1兆2800億円という。(09/25 22:39)産経新聞
60億円投入 トヨタ万全の支援
愛知万博を成功に導いた要因として、トヨタ自動車の存在は見逃せない。
トヨタはグループを挙げて、全面的にバックアップした。万博を運営する博覧会協会の会長を豊田章一郎・トヨタ自動車名誉会長が務め、スタッフに民間企業で最多の13人が出向した。豊田会長は“万博の顔”として、内外の要人をもてなした。
九つの企業パビリオンは連日大行列だったが、中でも、楽器演奏ロボットなど技術力を結集したトヨタグループ館の人気は高かった。話題の無人走行隊列バスや燃料電池バスの開発もトヨタ。資金面では、パビリオンの設営・運営費だけで約60億円を投入した。
トヨタ式の「カイゼン」を導入したことも会場運営の質を向上させる効果をもたらした。博覧会協会は来場者の声を吸い上げ、手作り弁当の持ち込みを解禁した。「日よけや雨よけがもっとほしい」「ベンチなどが足りない」など、来場者の不満に耳を傾け、「手を付けられる部分はすべて見直した」(協会幹部)と胸を張る。
会期中、万博を訪れた大臣級以上の賓客のうち、約130人が愛知県豊田市のトヨタ本社を訪れ、万博外交にもひと役買った。「世界のトヨタ」は愛知万博でも大きな存在感を示した。(豊田支局 西原和紀)(2005年9月24日 読売新聞)