ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

障がい者自立支援法

 衆議院委員会採決2005年10月28日午後4時35分。やまのい和則民主党衆議院議員が書いているようにこの法案は明確に厚生労働省財務省に蹴散らかされたといっていいだろう。そもそもの前提を間違えている。障がいを持つ人は自らその状況を選んだわけではない。すべからく国民は自ら受けるサービスに対してその対価を支払うことによって「自立」ができるという強者の論理にたつがゆえに思いつく幻想だといっても良いかもしれない。「自立」という言葉の使い方を間違えている。他の人の援助を得なくては暮らしていくことができない人にとって、その援助を得ることが自立生活の条件である。その条件が経済的バックグラウンドを得なくては実現できないという点がこの法案の閉塞性を現している。強者が支配する社会から一度排除しておいて、その周縁での存在をも許さないという傍若無人さを見る。
 この法案がその典型であるといっても良いが、霞ヶ関にとっては人間の存在そのものの原点は想像だにすることのない現場であって、単なる数あわせでしかない。しかし、私たち、今のこの時代に、この国に生きる選挙権を持つものが選び出したのが、この状況であり、この法案であることは明確である。この状況を創り出したのは間違いなく「かの国におけるあの時代のナチス」でもなく、「この国におけるあの時代の軍部」だったわけでもなく、この時代のわれわれである。
 本日夜のNHK教育テレビは「こんな“介護者”が欲しい〜障害者が語る理想の介護」と題して3時間の番組だった。一部しか見てはいないが、この時期にこの番組は総合チャンネルで放送して欲しかった。