ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

2005年六輔年忘れ 恒例オークション

 これまで、オークションに来たことがないのでどうなるのか分からないのである。一番前の端っこの席であった。正確にいうと端から二番目だったんだけれども、一番端の人があんまり拍手したり、笑ったりしないので、なんだかなぁと思っていたらオークションが始まったら品物の受け渡しや金の受け取りなんかをやっていたから多分関係者。すると単なる観客の中では、私が申し込みの「いの一番」だったんだろうか。
 女性芸人の大江戸小粋組が提灯を持ち、木遣りで後ろから入場で開演。さすがに170cmの小円歌さんは一番後ろ。小菊さんのうまさは光る。松崎菊也が司会である。昨日矢崎さんが着ていた永六輔と襟に染めてある袢纏を「永七輔」と直して着ている。
 小林啓子さんと永さんがデュエット。小室等中山千夏、趙 博の三人の唄(これがまた素晴らしい)。趙 博の「よいとまけ」の永さんの評判はラジオで聴いていたけれど、確かに仰るとおりである。中山千夏は全然変わらない。「がしんたれ」の時から人前に出続けてきたのだからね。
 休憩中にロビーを冷やかしにいくと、後ろから突っつく人がいる。1999年に一緒に学んだクラスメイト(あそこの学校語でいうとセクメ)で、彼は永さんの土曜日の番組のスタッフである。「やっぱりいたんだね」という感じであった。席に戻ろうとすると彼が外山アナウンサーと話していたので、ちょっとご挨拶したけれど、この二人の関係はなんだと思ったんだろう?通りかかりのおじさんがご自分が墨田区らしくて、墨田区出身の外山さんに「アルフィーの坂崎も墨田区ですよね」といっていた。へぇ〜。
 さて、勝手の分からないオークション。後ろの席にいるおばさんたちの話し声が聞こえてくると「私10万持って来ちゃったわよ」といっている。あ、そんなレベルなんじゃ出番はないね、と思っていた。
 緞帳が上がると後ろに座っている人たちの中に噺家がいて気になった。古今亭八朝であった。志ん朝師が朝太から志ん朝になったときの扇子を出した。これがなんとたったの1.2万円で売れちゃった。もう一声掛けても良かったと悔やまれる。そして、この後、八朝がなんと志ん生が着ていたという男物の黄八丈を出したんだけれど、これを一声十万円で落とした奴がいた。手が出ませぬ。
 今一歩で逃がした大物は、小粋組が練習する時に一緒に練習して、かっぽれ、奴さん、もしくは・・なんだったか忘れたけれど、とにかく一曲踊れるようになるまで稽古につきあってくれるというもの。これを落としたのは一番前にいた30代のサラリーマンらしき男。落札額は3万円。実は私のこの時の所持金は3万円を切っていたのである。やっぱりこんな時はちゃんと準備してこなくちゃね。彼は練習の成果を来年のこの場で披露する、ということになった。いやぁ、羨ましいね!
 では、私は何を落としたかというと、新宿末広で働いていた太田スセリが出した芸人さんの手ぬぐいから、三平、先代正蔵、小さん、談志なんてところを一本釣りで買われちゃった後の(!)残りをほぼ高圧的胴間声ではり倒して、5千円である。中身はというと、三球・照代、夢楽、圓馬、八代目助六、小南、鶴八、小文治、文治、米丸三木助(多分若くして死んだ方)なんてところである。うちに帰って意気揚々とこの顛末を説明すると「まだ他にもいろいろ噺家の手ぬぐいがうちにあることわかってるよね」との一言であったのだ。
 帰りに巣に立ち寄って、今年お世話になったことにお礼を申し上げて帰宅。1時を過ぎていた。