ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

なんでそんなものを

 昨日のニュースで恐縮だが、ふと思い出したのだ。朝日新聞にこんな記事が載っていた。

Asahi.com2006年11月22日22時10分
本社記者を停職2カ月 和歌山談合被告から15万円受領
 和歌山県発注工事をめぐる談合事件で起訴されたゴルフ場経営会社元代表井山義一被告(56)から餞別(せんべつ)と出産祝いで計15万円を受け取っていた朝日新聞大阪本社社会部の男性記者(41)=16日付で管理本部付=について、朝日新聞社は22日の代表取-締役会で、停職2カ月の処分を決めた。大塚義文・大阪本社編集局長は戒告、渡辺雅隆・同社会部長は譴責(けんせき)の処分とした。
 記者は00年ごろ、井山元代表のゴルフ場で営巣が確認されたオオタカの取材を通じて井山元代表と知り合い、02年と04年の2回、祝儀袋を渡された。いずれも開封せずに仕事用のかばんに入れていたが、情報紙が15日、「(井山元代表が)大手紙記者に現金100万円」との記事を掲載したため、上司に報告。確認したところ、10万円と5万円が入っており、20日、封筒に入れたままの状態で井山元代表側の弁護士に返却した。
 朝日新聞大阪本社広報部の話:取材先からこのような形で現金を受け取ったことは記者のモラルに反する行為であり、社内規則に照らして解雇に次ぐ重い処分にしました。今後、このようなことが起きないように指導を徹底していきます。

 16日に朝日新聞がこの事実を自ら発表し、朝日新聞大阪本社の横井正彦編集局長補佐が記者会見をしたことで明らかになった。しかし、2年前、4年前にゴルフ場の経営者から貰った封筒包みをそれぞれそのまま仕事用のかばんに入れていたということもおかしいし、日本の三代全国紙の新聞記者が不用意に取材先から封筒包みをそのまま貰うこと自体が朝日新聞社員教育もおかしいけれど、モラルというかブンヤ気質というか、誇りというか、そうしたものが、あのバブルが弾けるのと一緒にどこかにはじけ飛んでしまったような気がする。今更戦後の配給の時代に、闇には手は出さぬとして死んでいった法曹界の方の話を持ち出そうとは思わないけれど(持ちだしているんだが)、職務上のこだわり、誇りというものが一切消えつつあるのではないかと思う。つまり、これこそ日本の文化が雲散霧消していることの表れではないだろうか。かつて経済部の記者ですら取材先に案内して貰って取材する時にきちんと自分で足を確保し、少しでも取材先からの供与を受けないようにと努力していた日本経済新聞ですら、記者がインサイド取引で逮捕されたりする時代である。そんなことをやったらいくらでもできてしまうのが情報を金を貰って追いかけている新聞記者である。だからこそ、部外者の人から痛くもない腹を探られることのない様に襟を正すというのが本当のプロフェッショナルなんだろうと思う。
 その辺はまぁ、良いじゃないの堅いことを言わずに、という風潮を糺すというプロセスをしっかりと作り直さないとならないだろうなぁとつくづく思う。そう思うけれども、国会議員から、日銀総裁から、自治体の首長から、官僚に至るまでどうやって自分の懐を潤すかということばかり考えているわけだし、啖呵を切って党を飛び出し、追い出した議員が選挙のためだけに「まぁ、良いじゃないの」と戻ろうとしたり、「こうやって皆さんの意見を聞きました」といっていて実は仕込みの「ご意見」だったりしたら、もうそんなモラルだろうと、襟を正すのだといったって、記者会見を開いて「大変遺憾です、申し訳ない」と頭を下げれば終わるというんだから、誰もそんなものやりゃぁしないよ。「今の子どもたちは・・」なんていったって、迫力ないことおびただしい。電車の中の携帯電話を見てご覧よ。誰も彼も平気で話している。「なんでこの俺が遠慮しなきゃならんのよ、いやいや、君たちは別だよ。何たって私は特別なんだから」と思っている。特別じゃないんだよ、あんたも私も、といいたいんだけれど、怖いんだよなぁ。ホームレスを殴って金を巻き上げるだなんて、最低だろ。野党を無視して採決してそれが正しいやり方だっていうのか。だから、システムの問題じゃなくて、与党の誇りはそれでいいのかっての。あぁ、やっぱり小言幸兵衛になっちまった。
 「ストレイ・ドッグ」(山岡俊介取材メモ)によると朝日新聞は社会部を解体して「社会グループ」になるそうだ。なんたって社長は経済部出身だそうで。そういえば昔の日本経済新聞社の経済部だかの部長ってのはエライ威張っていたっけなぁ。まるでいいたい放題だったなぁ。まぁ、企業はそんな奴を持ち上げて、やりたい放題にさせてしまうわけだけれど、その流れに乗ってしまう奴があほうなんだけれどね。某業界の業界紙の社長なんてやりたい放題だったけれど、今頃はどうして居るんだろうなぁ、と思ってサイトを捜したらまだ君臨しているね。しかもそのサイトには業界企業がお愛想広告を出していやがった。まだかわんないんだね。