ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

永六輔コンサート「上を向いて歌おう」

 小泉:ピアノ、唄&話:永六輔、小林啓子、小沢昭一、朗読:遠藤泰子
 中年御三家の再結成と永六輔はなぜ作詞家をやめたのか、はたまた三波春夫との関係について詳しい話を聞いたライブ。今回初めて聞いた話は、水原弘の第一回レコード大賞受賞曲「黒い花びら」はあの「樺美智子」さんを唄ったものだという話だ。このライブが始まる前に矢崎泰久が前トークの時に片手に本を持って出てきて、「この本が実は今日のプログラムです。ロビーで売っていますし、ここは本屋ですからいくらでもありますから買って下さいね」といって「上を向いて歌おう」(永六輔+矢崎泰久 飛鳥新社 2006.12)という本を宣伝していた。あとで“永さんのサイン入り最後の一冊でぇ〜す!“の声で思わず手にしてしまったが、その中にはこの話は載っていない。ただし、あの曲は印税契約になっていなくて、三千円で売ってしまったのだというのは書いてある。野坂昭如が突然登場するんじゃないかという密かな期待を持っていたけれど、結局それは起こらなかった。永六輔の歌は決してうまくはない。決して巧くはないけれど、味はある。遠藤泰子との掛け合いの「Blue Heaven」は初めて聴いたわけではないのに笑ってしまう。この二人はラジオでコンビをしながらもう既に41年になるというのである。私はついこの前始まったような気でいた。考えてみるとほとんどそれを聴いてきたのだ。それに気がついてびっくりする。

上を向いて歌おう 昭和歌謡の自分史

上を向いて歌おう 昭和歌謡の自分史

 小泉源兵衛はかつてビッグ・バンドのピアノを担当していたプレイヤーだったのだそうだ。いま、ピーコのシャンソンにもつきあっているそうで、来年は永六輔+ピーコでやろうといっているそうだ。“永六輔とピーコの歯目出しコンサート”というタイトルだと。小沢昭一の「明日天気になあれ」(作詞:永六輔、作曲:小沢昭一)はとてもいい曲なんだけれど確かに売れてはいないなぁ。この曲を小沢はカラオケで歌う。しかし、その後ろで小泉源兵衛は一緒にピアノを弾く。テープといえば永六輔三波春夫に作った唄(多分「明日咲くつぼみに」)を三波春夫が歌ったテープが流れる。私は1997年の年末にたまたま東京にいて三波春夫が加わった永六輔のステージを見たが、なんでこの二人が繋がったのか理解ができなかった。その前に三波春夫の唄は知っていたものの、好きじゃなかった。死んだ父がなぜか生前酔っぱらっては三波春夫のレコードを買ってきた。おかげで「俵星玄蕃」「大利根無情」すら当時はそらんじて真似できるくらいだった。それにしたってあの着物はないだろうと。しかし、彼はシベリア帰りだった。そこから「戦争を語りつぐ」活動で永、小沢と組み合わさったのだという。今、「明日咲くつぼみに」を小林啓子が歌っている。そうそう、小林啓子も北山修と同じようにもう還暦だ。