ほぼ足りてまだ欲 その先

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最近よく聞く高校の先生

 「オール1の落ちこぼれ、教師になる」という本を書いた宮本延春さんのことを以前にテレビで見た。中学に入って最初に貰った通知票はオール1だったという。23歳になってアインシュタインのことを取り上げたテレビ番組のビデオを見て、衝撃を受け、物理学についてもっとよく知りたいと、「九九」の勉強から、つまり小学校三年のドリルから勉強を始めたというのである。私立の定時制高校に入ったのが24歳の時。名古屋大学の物理に27歳で入学したというのである。学部と大学院で都合9年間、宇宙物理学を勉強し、今度は母校、豊川高校の先生になったというのである。
 積み重ねなんだというのがよく分かる。何かきっかけというのがあるというのがよく分かる。それがどんなきっかけだろうとそれは構わないと思う。彼の場合はそれは探求心というか、好奇心だったかも知れない。それが例えばいやなことを経験したから、そんなことが起きないようにするにはどうするべきなんだろうか、と言うことでも良い。きっかけをつかむことがとても重要だろうと思う。
 しかし、次に必要なのは常にその目標を忘れないことだ。自分にいっているんだけれども、実に簡単にそのことを忘れるのである。目の前に、あの本を読まなくちゃというプレッシャーが立ちはだかる。あぁ、いやだ、あんなの読みたくない、と思った時にもう「なんでその本を読むという状況が生まれてきたのか」と云うことを忘れている。積み重ねをするためには一見実につまらないことをやらなくてはならないことがある。大体、その辺で放り投げる。
 どこから踏み込んでも良いから、何から踏み込んでも良いから積み重ねなくちゃならない。一行でも良いからひとつずつ積み重ねなくちゃならない。いっぺんにはできない。>自分に。