ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ブログの出版

 人気のブログというのは何人もの人がアンテナを張っていたり、ブックマークしていたりして、そのアクセス数は驚くほどの数に上る。確かに面白くてぐいぐい読み進めさせる力を持っている。ところが不思議なことにそんなブログを出版社がこりゃ面白いといって出版すると、なぜかそこから途端に自分にとって色あせて見えてきてしまうのである。
 例えばかつて時々にしか書き込まれないんだけれどもヤクルトの古田敦也のブログは練習中の日頃見えない様な場面が書き込まれていてそれでなくても日頃から面白い彼の日常に触れられて勿論アンテナを張っていた。ところが出版されてからというもの、すっかり興味がなくなり、終いにはアンテナも外してしまった。
 「農家の嫁の事件簿」は初めて友人から教えて貰った時には、もうすっかり感心してしまってただただ唸ってしまい、終いには銀座の伊東屋にいって水彩だか、色鉛筆だかを仕入れて絵の勉強から始めようかと思ったくらいのものである。ところが、出版されて以来ぱったりと見にいくことが少なくなってしまった。実際には酪農家の大変なことは一日として家を空けられないことだけでも容易に想像がつくのに、それをあっけらかんと(いう雰囲気を醸し出す)面白い絵にして地元の習慣まで報告してくれるというのは実に興味深いのにもかかわらず、である。それは多分、印刷ものになった時に私がそれを書店の店頭で手にするか否かという観点から考えると分かるのかも知れない。どちらも店頭に平積みになっていた時に私が手にするかといったら多分NOである。とすると、ここにも“ひょっとするとこのブログのことを知っているのはそんなに大勢の人たちではなくて、その中に入っている自分“が好きなのか?あるいはただで楽しめるからなのかも知れないのだ。ま、もちろん出版する側もそんなことは百も承知で、全くブログとは関係ない人たちがそのターゲットなのかも知れないものなぁ。
 と、ここまで書いて何がいいたいのかというと、出版したにもかかわらず、こちらの「きっこのブログ」はなんだかんだいわれていながらも興味深く、広く知らしめておきたいと、今でも思うんだよなぁということなのだ。