ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

本屋の検索

 数寄屋橋東芝ビル解体ということで旭屋が今月25日で店を閉めるというのはちょっとショックだった。本屋というと丸善の書籍検索サイトが(これは随分昔の話だけれど)Amazonと一緒になってのネット・ショッピング・サイトになってしまって、店の外から在庫をチェックできなくなってしまって不便になった。八重洲ブックセンターのサイトの「検索」は人手が足りなくてメンテできない所為なのか、動いてはいるものの満足に機能しなくなってしまった。そこに行くとジュンク堂のサイトはまだちゃんと動いていて本店の在庫が表示される。
 丸善にしても、八重洲ブックセンターにしても多分行けば少々のものなら平気で在庫が見つかるんだろうけれど、ひょっとして本当にないんだとしたら空振りだなぁと思うと、他の要素がなければ池袋に行ってしまうことになる。ただ、あそこは駅から結構あるので、さんざん店内をあっちこっち気分の赴くままに歩き回ってしまった後では駅に帰ってまた地下の人ごみをかき分けながらプラットホームに上がるのが億劫になる。それで小一時間かけてバスで帰って来ちゃったりする。
 さて、どうしても手に入れたかった本、そして雑誌の類を入手。

雑誌

  • 論座5月号
    • 例の杉並区の和田中・藤原校長に斉藤貴男がインタビューしている。斉藤はインタビュー後記で「痛いところをつかれたと悩んでいる」と書いている。この率直さは見習うべきところである。実は和田中の「夜スペ」については週刊金曜日も3月7日号で取り上げていてこっちでは佐高信と対談している。そして「夜スペ」の前に、すでに取り組んできた「土曜寺子屋(ドテラ)」を見て欲しいというのだ。SAPIXの私企業としての論理にどう対抗するんだという佐高の質問に対して、「僕はプロのビジネスマンだから、自分の領域では商売させない自信がある」と語る。斉藤の呻吟も、佐高の疑問も私にはよく分かる。よく分かるが、それでは全部の区立中学がこうしたことができるかどうかの検証を進めようじゃないかというのが都教委の考えであっても良いのかも知れない。
    • タイミングぴったりに映画「靖国 YAUKUNI」の李纓監督と崔洋一監督との対談が掲載されている。李監督がこの映画を作ろうと思ったきっかけを語っている。そのひとつが1997年の「南京大虐殺60年国際シンポジウム」だったそうだ。旧日本陸軍が製作した映画「南京」が上映され、南京入場式、国旗掲揚式で君が代が流れた時に会場から熱烈な拍手が起きたのだそうだ。その時に歴史認識、問題意識に大きなギャップを感じたという。また、花見の時の靖国に来た時に戦中と変わらぬ価値観の世界が展開していることにもショックを受けたのだという。靖国刀の刀匠に「休みの時にはどんな音楽を聴きますか」と訊ねた時の回答が「昭和天皇の声」だったというのは大変に興味深い。
    • 「吉坊が聞く」は何と談志。「俺は落語に帰属してんじゃないんだな、立川談志に帰属しているんです。」この対談は談志が太田光とやっているラジオ番組より面白い。まぁ、私が太田を好きじゃないということも大きく影響するけれど。
    • 書評で牛村圭比較文化学者。国際日本文化研究センター教授。『「文明の裁き」をこえて——対日戦犯裁判読解の試み』(中央公論新社, 2001年)等)が日暮吉延の「東京裁判」(講談社現代新書)を評している。
  • 季刊「at[あっと]」11号。実は11号にもなるこの号を見てこの雑誌は編集はオルター・トレード・ジャパンで、「南北問題と現代思想をつなぐ」という副題が付いていることに初めて気がついた。だから、これまでバナナだ、なんだとフェアトレードについて良く語られているのである・・・何だよ、今頃気がついたのかと大笑いだ。で、今号は「コーヒー産業の現在」である。

  • 週刊金曜日は先週の3月28日号で、以前表明された様に椎名誠の写真が終わった。4月4日号は昨年9月の福田首相の就任後初会見の時にAPが撮った写真でイメージが変わった。真ん中がカラーになって「話の特集」がなくなった。なんだ・・。
  • 月刊「東京人」5月号:この雑誌は買いクセをつけるととんでもないことになりそうなので、特集を見て選択することにしている。今号は私の気持ちを大きく揺する「東京建築ガイドブック」と大書してあって、写真が見たこともない国会議事堂の中。みんなこういうの好きだよなぁ・・といいながら自分が好き。入ったことのない建物ばかりと云っても過言ではない。ちょっと悔しいものがあるな。
  • サライ」4月17日号:表紙がクレイジー・キャッツで『日本を、も一度元気にする「昭和のお笑い」』とある。ひょっとするとまた例の落語特集と同じで欺されちゃったかな、とは思ったがぱらぱらと開いたところにエノケン、ロッパ、金語楼が座敷で撮った写真があったので、そのままレヂに持ち込んだ。附録「昭和のお笑い」名場面集(ったってCDなり)。

新書

  • 「中国残留邦人 置き去られた六十余年」井出孫六 岩波新書 2008.03.19(となってはいるけれど既報の様に20日には出なかった)。
  • 「ラジオの戦争責任」坂本慎一 PHP新書 2008.0303 面白い視点で検証しているのではないかと思って入手。戦中の対敵プロパガンダ放送に触れていないのが残念。

単行本

  • 「移民大国イギリスの実験 学校と地域に見る多文化の現実」佐久間孝正 勁草書房 2007.12:微々たる収入しかない身からしたらこの種の著作、研究書は図書館から借り出して読むのが普通だけれど、ひょっとすると佐久間先生のお話を聴く機会ができるかも知れないのでと入手。するともう「はじめに」を読んだだけで「あ、そうか!」と思うことが二つも出てきて、上手くいけばこれから先がとても楽しみである。

逡巡

  • 「なぜ若者は老人に席を譲らなくなったのか」大林宣彦 幻冬舎新書 2008.01:私が云ってきたことと共鳴する部分が目次を見ただけでいくつも見つかったのだけれど、すぐに古本屋に出そうな気がしたので、ならばその時で良いかもと・・。
  • 日中戦争への道 満蒙華北問題と衝突への分岐点」大杉一雄 講談社学術文庫 2007.11.08:「はじめに」にを読んでどこかで読んだ様な気がして、ひょっとして既に持っているんじゃないかと不安になった。昔だったら「えぇ〜い、重なっても良い、今手にするんだ」と入手しただろうと思う。そんな決断しても良いものかと逡巡する。だったら外食するのも止した方がよっぽど良いと思う。
  • 岩波写真文庫 川本三郎セレクション:昨年の暮れに復刻第三弾として川本三郎セレクションの五冊が刊行されている。「 東京湾—空からみた自然と人 」「 東京—大都会の顔」「東京案内」「東京都ー新風土記」「川ー隅田川」である。