ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。


 どうやら東京の桜ははらはらと桜吹雪の時期にやってきたようで、殆ど風がない、春霞のもと、もったいない、もったいないといいながら写真に撮るが、こりゃどんなことをしても上手く映らない。
 先週の金曜日の帰り道でメジロが落としていった花をいくつか拾い、それをそのまま掌に盛って落とさないように持って帰ってきた。それを水を張った器に浮かべてささやかながらの家の中の桜としていたのだけれど、昨日気がつくと微かにひとつひとつがピンクに染まっていた。花の色が濃くなっているのである。
 思い切って足を伸ばして隅田公園の桜並木は如何なる案配になりつるのかと見に行った。多分週末は終日、そして今週に入ってからも夕方から夜になったら花見見物の盛り上がりがあっちにもこっちにもあったのだろうけれど、平日の午前中の隅田公園は、殆どリタイアした人たちのお散歩コースになっているようだ。テキ屋の屋台もまだまだ店開きができていないようで、そろそろ立ち上げて準備に入ったくらいだ。
 ためつすがめつしてみると決してソメイヨシノだけではなくて葉が多くなってそれでなくても白っぽい大島さくらが余計に白く見えるような気がすし、中にまるでショッキング・ピンクともいうべき桜が一本あって目を引く。その木にはちゃんと名前が書いてあったのだけれど、家に帰ってきたらすっかり想い出せない。これで、今年も春が来たことを確認する。
 東武電車は川を渡って桜の中に乗り入れてくる感じなんだろうと、電車の乗客が羨ましいが、多分毎朝の乗客にとっては別に感動するようなものではないのだろう。毎朝電車からみているものはもう見なくても良い雰囲気になるから不思議だ。そういえばSydneyの北から毎朝電車でcityに向かって電車で橋を渡ると左手にオペラハウスが見えていたけれど、すぐにみなくなり、写真なんぞも撮らなくなり、数年後に行って、ようやくきちんと写真にした、事を想い出す。