ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

THE世界遺産

 TBSテレビで毎週日曜日に放送されている「THE世界遺産」はミュージカル俳優の市村正親のナレーションがなかなか渋くて、しかも知らないことをちゃんと教えてくれるので結構追っかけている。今日はそれまでチャンネル権を強奪されており、ビートルズを見られなくても我慢したけれど、これは意見が一致する。今日のこの番組のテーマは英国の「アイアン・ブリッジ」だった。一昨年の6月に参加したツアーがこの橋を見に連れて行ってくれるというので豪雨にさらされる中、見に行ったことが思い出される。
 世界で最初に鉄で造られた橋で、この話はかつての職場で知り合った土木のほぼ同年配の人から聞いていた。彼の話を聞いて興味があったのだけれど、彼はこの橋について本を書いていたほど詳しいのだった。見に行く前はどんな鋼材だったのだろうか、ただ単に世界で最初という話なんだろう、程度の興味だった。かつてのことだから、この橋はなんと鋳鉄でできているのだった。
 普通の方はこの橋がどれくらいの意味を持つのかというのは歴史的な意味合いくらいしか興味がないのが当たり前だけれど、私は彼から話を聞いていたので実際にそのものを目の前にした時は大変に感動をした。なにしろあの時代(18世紀である)に総重量400トンになる鋳鉄の橋をこんな山の中に架けたというのだから驚きだ。そこに製鉄所があったからなんだけれど。
 しかし、あのツアーでは肌寒い豪雨の中(6月)、ズボンの裾がびしょびしょになりながらじっくり見たい人はそれほどはいない(写真の川の流れをごらんいただけるといかに激しい雨が降り続いているのかがおわかりいただけると思う)。あそこに博物館があり、それを私はじっくり見たかったけれど、団体行動の悲しさで、我慢しなけりゃならなかった。
 だから、今日のこの番組は興味深かった。番組が終わって最後のエンディングロールが上ってきたら、その頭に監修者として今や大学の土木工学の研究者に収まっている彼の名前が出ていて、「あ、なるほどね」と納得したのだった。