ほぼ足りてまだ欲 その先

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NHK総合テレビ 「世界遺産への招待状」

 NHKもなにしろ世界遺産を紹介する番組をバンバン放送しているけれど、今日の「世界遺産への招待状」はスイスアルプスだというので見たら、これはこれはただ美しいアルプスの山々を移していくというだけの番組ではない。
 ヴヴェというレマン湖の北岸(南岸はフランスだからもちろん北なんだけれど)にある村から西に急峻な崖に造られた石垣イチゴならぬ石垣ブドウ畑が映し出される。このあたりがチャールス・チャップリンがハリウッドのマッカーシー旋風ではじき飛ばされて亡命暮らしをした地域だというのだ。お〜、そういえばこの辺にネッスルがあるとは聴いたことがあったけれど、チャップリンの話は忘れていた。チャップリンが亡くなったのは1977年だったというけれど、つい、この前のような気がしていた。
 そこからアイガー、メンヒ、ユングフラウを見せてくれた(世界遺産の番組だからね)けれど、この番組の面白いところは、ブスアルプで夏の間山に牛をあげて放牧、搾乳を子どもとその友達が力を合わせてやっている家族を紹介していたところだ。これは観光旅行では見られないだろう。放牧地に冬の間に雪で運ばれる石を取り除き、牛糞を集め、放牧し、また集めては搾乳し、チーズを造り、メンテナンスをするという膨大な作業をこなす。そういえば夏は家族で急峻な牧草地を刈り取り、それを集めて冬に備えるということもやらなくてはならない。こうした夏の作業で子どもたちは成長するというけれど、さすがにそんな家庭は減少しているという。多分このあたりではこの家族だけだという話だった。どこか違う星の話のようだった。労働ということの意味を考え直す風景だった。
 それでも田舎に行くと本当に冬のための牧草を家族全員で刈り取って集めているのをみるとこれは大変な生活だなぁと思いが至る。あまりにも急峻な牧草地で機械が入り込めないところがいくらでもある。「こんなうちなんて今や殆どないよ」という声が聞こえるけれど、実はある。