ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

商売

 私が暮らしているこの街は昔は芸人さんやテキ屋(後年変化していった意味合いではなく純粋な意味で)さんが暮らす地域だったようで、今でも芝居用の鬘屋さんなんてものが残っているけれど、どんどん減っている。盛り場からは結構距離があるし、その裏にあるかつての三業地も今や風前の灯火で痛んだままの建物が残っていたりしている。そういうところにはお菓子屋さんが残っていて、それだけがぽつんと営業しているものだから、なんでこんなところに孤立するようにあるんだろうという話になるのだけれど、そうしたお店はかつては料亭が使うお客さん向けのお土産を提供していたわけだ。例えば向島の団子や桜餅ってのもそんな性格があったんじゃないだろうか。
 幹線道路に沿った商店街は、持ち家で商売をやっている人たちはお客が入っているのかいないのかわからないけれど、どうにかやっている。しかし、場所を借りて営業しているお店はそうはいかない。どんどん家賃がかさんでいく。だから、この辺はお店が定着しない。小さなカジュアル・フレンチの店ができて良いなぁと思っていたらあっという間に撤退していった。そのまま居抜きで始めたお店はどこかで固定客を得ていたのか、予約のみで営業してやっていっている。ラーメン屋は撤退した。小料理屋も変わった。ディスカウント食品屋が撤退。リサイクル家電店が撤退。要するに昔から住んでいる人はいるけれど、人の動きがないということだろうか。
 角から二軒目にあったビルにある時ケーキ屋さんが店を開いた。えっ!?ここに・・・・?と思った。前を通ると若い人たちだった。半年持たなかった。人通りがないんだから無理だってば。
 周りは不況だ、不況だというけれど、ずっと前からとても活発といえない状況の中に沈んだ街に暮らしていると何を今更・・という気がしないでもない。