ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

本屋

 近所のショッピングセンターにある本屋(本屋といっても雑誌とコミックが中心なので普段は用がない)でくだんの新潮社の「考える人」No.31 2010年冬号を発見。「特集:あこがれの老年時代」とはいえ登場する方々は私よりも一回り上の方たちである。
 マガジン・ハウスの木滑良久は1930年生まれで一回りどころじゃない。「popeye」をこんなに歳上が作っていたのかと思うとなんだか口惜しい気がする。創刊が1976年だから私が東京に転勤になって帰ってきた年だ。ぎりぎり20代で仕事の面では生意気盛りだった頃だ。当時彼は40代半ばでそんな歳のおっさんにツボに入る直球をズバンと投げ込まれていたなんて、ちょっとショックだ。「アンチ・エイジング」じゃなくて「ウィズ・エイジング」じゃねぇのといっている。
 偶々先日見付けた京都在住で私より一回り上のご夫婦のブログの著者ご夫妻が載っている。随分品の良い、読者が随分おられるブログだと思ったら旦那さんがプロのグラフィック・ディザイナーだったのだそうで、なるほど、そりゃちょっと違うわけだ。
 たった見開き2頁だけれど、哲学者の木田元も登場。私よりも二回りも上だから、まごう事なき老年世代である。木田が海兵出身だったとは。
 前にも書いたことがあるけれど、この種の特集を売り物にする雑誌に連載ものがあるのは私には辛い。こんな重たい雑誌を毎号連続的に入手するのは物理的に許されない。それなのに、明治学院大の原武史の「レッドアローとスターハウス」がとても面白い。多分そのうち新潮社から刊行されるだろうと期待している。
 ここに登場する高齢者の皆さんは比較的経済的に恵まれ、才能に恵まれ、身体的能力にも恵まれた方々で、そういう点では特異な方たちだろうという印象だけれども、大井玄の話はこの雑誌の今回の特集にかかわらず興味深い話だった。

Coyote No.40 特集:谷川俊太郎、アラスカを行く

Coyote No.40 特集:谷川俊太郎、アラスカを行く

 ひょっと雑誌の棚を見ると「Coyote」の1月号を発見。特集は「谷川俊太郎、アラスカを行く」である。表紙は(多分)クリンギット族のトーテムポールの前でその真似をしている谷川である。谷川俊太郎が昨年の夏に出掛けたアラスカの話と出会った人の話、そして彼の詩である。この雑誌だから当然星野道夫の名前がどんどん出てくる。谷川をよく知る人が読んだらとても面白いのだろう。


 この二冊の本は手で支えて読むのはお止めになった方がよろしいかも知れませぬ。何せ重くって、私は机において、左手で頁が返るのを押さえながら読まねばなりませぬ。