ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

余韻

 クラッシックのコンサートというものは今まで数えるほどしか行ったことがない。なにしろ殆ど一曲全部をしっかりと聞いたなんて経験がないので、いっても一体どこで手を叩いて良いのかも分からない。で、途中で演奏が一段落したらしいのに、観客は手も叩かないし、ざわざわっとするだけで次に行くなんてところもある。
 ところがラジオでNHK FMの生放送なんて流していると演奏が終わるやいなや、まさに間髪を入れず、誰よりも早く「ぱちぱち!」とやり始める人がいる。彼は多分、俺はこの演奏がよく分かっていて、誰よりも物知りなんだとでもいいたいのか、余韻も何もあったものじゃない。ラジオ放送の解説者も良い傾向ではないといっていた。
 これが実は落語にもある。オチのところを先取りしないだけでもまだましだといえばそうだけれど、間髪を入れずに手を叩く奴がいる。「芝浜」なんて噺だと「いけねぇ、やめとこう。また夢になったらまずい。」としんみり、ほのぼの胸に納めて、それからやおら拍手といって貰いたい。後ろからいって頭をひっぱたきたい。